イオン ワーナー・マイカルの全株式取得 ワーナーは国内映画興行から撤退

小売大手のイオンは、国内最大規模のシネマコンプレックスチェーン・ワーナー・マイカル・シナマズを運営する株式会社ワーナー・マイカルを完全子会社とする。
イオンは現在、同社の株式の50%を保有する。残りの50%は、米国のワーナー・ブラザーズ・エンタテインメント(Warner Bros. Entertainment, Inc.)が保有しているが、イオンはこれをワーナー・ブラザーズから取得することで合意した。2012年12月19日に発表された。
株式売買は2013年2月、もしくは3月に行われる予定だ。譲渡価格は明らかにされていないが、イオンによれば買収資金は手元資金を活用、2013年2月期連結業績に与える影響は軽微としている。

ワーナー・マイカルは、1991年にワーナー・ブラザーズとマイカルの共同出資で設立された。1993年より、ショッピングセンターとシネマコンプレックスを連動させるビジネスを展開し、日本のシネコン運営の先駆者となった。2001年にマイカルが経営破綻し、イオン傘下に入ったことからイオングループとワーナー・ブラザーズの共同事業となっていた。
現在のシネコンのサイト数は60で日本最大である。映画興行では、TOHOシネマズと並ぶ規模を誇る。イオンは独自ブランドのイオンシネマも運営しており、ワーナー・マイカルを加えると国内 73サイト約600 スクリーンと巨大な興行ネットワークを持つことになる。イオンは映画興行事業が、ショッピングセンターの集客に重要な役割を担っていると説明する。ショッピングだけでなく、エンタテイメントでも同社の存在感が増しそうだ。

一方、ワーナー・ブラザーズは、日本での映画興行ビジネスから撤退することになる。ワーナー・ブラザーズは、近年日本市場に積極的に取り組んでいるが、映画配給、製作、映像ソフト発売などに経営資源を集中させることになる。
国内映画興行は、近年、スクリーン数の増加による過当競争が指摘されている。2012年3月には住友商事が傘下のユナイテッド・シネマを投資ファンドのアドバンテッジパートナーズに売却するなど再編が進んでいる。今後もさらなる業界再編の可能性はありそうだ。また、今回のワーナー・ブラザーズのシネコン運営撤退で、かつて業界で大きな存在感を持っていた外資系シネコン会社は姿を消した。

ワーナー・マイカル・シナマズ
http://www.warnermycal.com/company/index.html