JManga.com 日替わりスタイルで海外向けマンガ配信 JManga7.com創刊

iOS(10月末)、Android端末対応も2012年秋の大きな変化だ。

日本の多様なマンガ文化を海外に届ける電子マンガ配信のプラットフォームJManga.comを運営する株式会社ジェイマンガは、2012年秋からさらなるサービスの充実を図る。
10月8日より様々なマンガをユーザーに紹介する「JManga7.com」(JM7)を創刊した。さらにJM7、JManga.comのスマートフォン対応の開始、ラインナップも引き続き拡大する。

JM7のスタートは、2012年秋の世界のマンガビジネス関係者の大きなトピックになるだろう。サービスのコンセプトは、これまでと同様に日本の多様なマンガの紹介だが、その仕組みがかなりユニークである。
大きな特徴は3つだ。1)日本の人気作品が出版社を越えて多数提供されること、2)無料と有料ふたつのサービスを組み合わせたこと、3)プロモーションの役割が大きい試し読みと月定額読み放題による収益化が盛り込まれていることである。

JM7の基本となる仕組みは、まず無料サービスとなる。登録会員に各出版社の日本マンガをエピソードごとに毎週更新で提供する。曜日ごとに6作品から7作品が、週単位で新エピソードになっていく。作品総数はスタート時点で約40作品、半年で約80作品を目指す。
参加出版社は、アース・スター エンターテイメント、イースト・プレス、一迅社、太田出版、宙出版、少年画報社、集英社、竹書房、双葉社、マッグガーデン、リブレ出版の11社である。配信作品は、『それでも町は廻っている』(著:石黒正数 少年画報社)や『プライド』(著:一条ゆかり 集英社)、『ゆるゆり』(著:なもり 一迅社)、さらに英語翻訳が初となる『青い花』(著:志村貴子 太田出版)(11月下旬予定)と人気作品も数多い。参加出版社は今後も拡大を目指す。
無料ではあるが、常時100話程度が閲覧可能とかなり大判ふるまいのサービスとなっている。海外では、JManga.comで作品購入しようと思っても中身が事前に十分確認出来ないのが不便との意見があった。これを解消し、購読につなげる狙いがあるとみられる。

さらに興味深いのは、同じ仕組みを使った有料版だ。月額5.99ドルで、無料版よりも多い300話が閲覧可能だ。(スタート当初)
仕組みはよく似ているが、目的はだいぶ異なっている。有料サービスは試し読みというよりも、定額読み放題サービスに近い。日本アニメの定額見放題にプレミアサービスを導入するクランチロールのビジネス的な成功が影響しているとみられる。JManga.comの設定価格が高いとの声もあるなかで、より安く、より多くの作品をユーザーが利用出来るようになる。有料とすることで、今後さらなる付加サービスも可能になる。ビジネスとしての将来性の高いのはこちらだろう。

また、無料版、有料版とも、JM7には、海外にない定期刊行のマンガ雑誌の代替が意図されている。JManga.comを運営するジェイマンガ株式会社は、JM7を創刊として発表している。JM7は、週替わりで最新作を掲載し、常に新しい作品を世界のユーザーにアピールし、顧客開拓を進める。
実際に、今後の展開として、国内で刊行されている単行本、雑誌の国内外同時配信を掲げる。さらにデジタル先行配信にも取組むとしている。これらが実現すれば、国内のデジタルマンガ配信ビジネスすら一気に追い越しかねない勢いだ。

国内出版39社が参加するデジタルコミック協議会が推し進めるJManga.comは、2011年8月にスタートした。マンガの正規配信の大幅拡大と国内出版社の協力に対する期待の一方で、当初は事業の先行きを危ぶむ声も少なくなかった。すでに日本マンガを展開している現地出版社との関係や、価格設定、依然盛んな違法ファイルの問題が難しいためである。
しかし、事業開始から1年を過ぎた現在、ジェイマンガはかなり健闘しているのではないだろうか。タイトル数の不足を指摘する声は依然大きいが、今回の様にユーザーの声に対応するスピードの速さは予想以上だ。とりわけ2012年2月からスタートした全世界サービス同時提供は、作品の権利者に直接つながる日本の出版社ならではの強みである。多くの海外向けの翻訳作品は、現地出版社ごとに北米やアジアなどに権利が区切られており、展開地域が制限されているからだ。
今後、日本マンガの海外展開で鍵となるのは、新刊雑誌、単行本の世界同時リリースだと指摘する関係者は多い。その役割を担えるのは、現状でジェイマンガしか存在しない。

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