経済産業省 クリエイティブ産業の創造の調査レポート公開

経済産業省は、このほど「平成23年度 知的財産権ワーキング・グループ等侵害対策強化事業(クリエイティブ産業に係る知的財産権等の侵害実態調査及び創作環境等の整備のための調査)」と題した事業報告書を、同省のウェブサイトにて公開した。
少し長めのタイトルで一見やや分かり難いが、報告書は国の進めるクール・ジャパン戦略の一環で、同省のクリエイティブ産業政策についての報告書である。平成23年度(2011年4月~2012年3月)にクリエイティブ産業課が設置したクリエイティブ・エコノミー研究会の事業をもとに、野村総合研究所がとりまとめた。

報告書の特徴は、国内外のクリエイティブ産業の包括的な状況の調査、情報と、ミニシンポジウムなどを通じた産業の現場の声を吸い上げるふたつから構成される点である。報告書は本体だけで200ページ以上にも及ぶ。
これにさらに参考資料として、侵害対策に関する調査、オープン・ミニ・シンポジウム議事録、オープン・ミニ・シンポジウム、アンケート集計結果などがある。ファッションから食、コンテンツ、伝統工芸、住、観光、広告、アート、デザインなど取扱い領域も広範囲だ。

また、報告書が重要なのは、しばしば分かり難いとされる国の考えるクリエイティブ産業の定義とその背景が示されていることである。クリエイティブ産業が、一般にイメージし易い、ファッション、食、コンテンツを越えたかなり広義の概念であることが理解できる。
こうしたクリエイティブ産業の定義の拡大には、「クリエイティブ」の名前が対外的にアピールするといった側面もあるかもしれない。しかし、クリエイティブ=創造性という軸で既存の産業を編成し直すことで、産業振興の新たな可能性を構築するという意味合いがあると考えられる。
そう考えれば、現在、経済産業省クリエイティブ産業課などが進める異業種連携によるクリエイティブ産業の海外展開の理由も見えてくる。クリエイティブ産業はすでにあるものというよりも、新たに定義し、そして既存の各産業の連携によりこれから創り出すものなのかもしれない。

報告書は個別分野、産業、海外などの基礎情報としても役に立ちそうだ。産業ごとの現状、課題、施策が豊富なデータと共に示されている。各国の関連産業政策も参考になる。
海外と中心とした知的財産の侵害対策にも、調査を大きく割いているのも注目される。経済産業省がこの問題を重視ていることが分かる。

経済産業省
http://www.meti.go.jp/

クール・ジャパン/クリエイティブ産業政策(レポート・報告書)
http://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/mono/creative/report.htm