講談社と秋田書店 版権事業で提携 海外事業連合時代に

 国内大手の出版社講談社と中堅出版社の秋田書店は、版権ビジネスで業務提携を行うことで合意した。まず秋田書店が現在行っている版権営業の窓口の一部を、講談社に委託する。
 講談社は年間売上高約1500億円、創立から100年を超える国内有数の総合出版社で、版権事業でも強みを持つ。一方、秋田書店も創立から60年以上、マンガ出版に強みを発揮する。売上高約180億円、従業員およそ150名である。

 いずれもオーナー企業であり、資本的なつながり持たない。独立した出版社が事業の中核部門のひとつである版権事業で提携を行うのは異例のケースとなる。
 こうした提携の理由として、両社は出版物のアニメ化やドラマ化、映画化、商品化といった版権ビジネスが拡大していること、また海外市場拡大の重要性が今後ますます高まってくることを挙げている。事業提携の範囲は国内と海外の双方としており、海外ビジネスへの思惑も大きな要因とみられる。

 両社は版権ビジネスに関するノウハウやライセンシー、市場に関する情報などを共有するとしている。また、セールス交渉においては、スケールメリットを発揮出来るとしている。
 秋田書店にとっては高度なノウハウを要求される版権事業の窓口を、この分野で先行する講談社に委託することでビジネスの拡大が期待出来る。また、海外のビジネスでは、講談社が窓口になることで巨大な海外出版社に力負けすることなく、交渉を進めることが可能になるだろう。
 講談社にとってもこれは同様である。特にマンガについては、この分野の有力出版社である秋田書店のリストが加わることで、市場での存在感が高まる。

 有力出版社同士の版権事業での連携は、2008年に誕生した小学館集英社プロダクションにおける小学館と集英社でも既に実現している。こちらも特に海外でのマンガ出版、キャラクター事業での連携が視野に入っていた。
 海外の有力プレイヤーと対等にビジネスをし、さらに海外事業展開の高いコストを吸収するために、これまでの企業の壁を超えた取り組みが必要とされた結果とも言えるかもしれない。海外進出のコストとリスクを軽減するために、今後は出版、マンガに限らず、こうした意外な企業提携が映画、ゲーム、アニメ、玩具といったコンテンツ関連の分野で飛び出す可能性は十分あるだろう。

 講談社と秋田書店は今回の提携による具体的な取り組みとして、10月14日から18日までドイツ・フランクフルトで開催される国際ブックフェアにおける協業を行う。講談社が展示会場に設けるブースで、同社が秋田書店の書籍リストの版権営業を行う。
 フランクフルトの国際ブックフェアは、世界最大規模のブックショーとして知られている。参加者は世界100カ国から30万人に及ぶ。日本からも数多くの出版社が参加する。事業提携のお披露目に相応しい大きな舞台となる。

 また、近年は、日本のマンガにとっても、ヨーロッパ輸出のための主要なビジネスの場となっている。人気マンガを数多く保有する秋田書店の書籍リストも関心を呼ぶだろう。ビジネスの成果も期待される。

講談社 http://www.kodansha.co.jp/
秋田書店 http://www.akitashoten.co.jp/


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