成長する韓国アニメとその課題

韓国のエンターテイメント情報サイトのアリランニュースによれば、近年韓国アニメーション産業の成長が著しいという。韓国のアニメーション産業は、これまでリミテッドアニメーションにおける高い技術力により、米国や日本のアニメ制作の外注を請けてきた。その一方で、米国や日本の人気の高いアニメーションの存在によりオリジナル作品の普及は阻まれてきた。
しかし、近年は海外との共同制作に活路を見出し、そうした状況も変化しつつあるとしている。韓国文化省によれば韓国の国内アニメ市場は2003年には3億1400万ドル(約345億円)であり、また2002年から2003年の制作作品数は25%増加した。さらに、2003年のアニメ作品からの権利収入は1,140万ドル(約12億5000万円)と2002年から45%増しであったと記事は伝えている。

韓国政府は国家的にアニメ産業の育成に力を入れており、今後日本のライバルになる可能性が高いという指摘が多い。しかし、韓国アニメは意外に日本アニメの市場と重ならない可能性も高いのでないだろうか。
それは、韓国アニメの今後の課題とも言える国内市場の育成の問題と関わっている。つまり、韓国は自国のアニメのために収益を回収するのに十分な国内市場を持たない点である。
韓国ではアニメを初めとするコンテンツはネットにおいて無料で見るという文化が少なからず広まっている。対価を払ってコンテンツを見るという環境が十分育っていないためである。このため日本で一般的なDVD販売などのビジネスモデルが成立しない。この結果、アニメ制作の収益面で政府依存という中国と似た問題を抱えている。このため現状では、国内市場で自国アニメが大ヒットという実績を築き難い。

問題なのは韓国アニメが優れているかどうかとは別に、自国アニメが国内でヒットしたという実績がないことがアニメ作品の海外販売に不利に働く点である。海外企業は作品が生産国の国内でヒットしているかを、アニメ作品の購入を行う際の大きなポイントするからだ。つまり、国内でヒットした作品は、海外でもヒットする確立が高いというわけだ。こうしたことで作品の買い付け企業はビジネス上のリスクを避けている。
ところが、国内でのヒットという実績が築き難い韓国作品は、ヒットするかどうか判らないもの、リスクの高いものだと敬遠されがちになってしまう。そうした構造の中で、韓国のオリジナルアニメの海外競争力は弱くなってしまう。

そうした結果、韓国企業は海外との共同制作方式に活路を見出しつつある。米国や日本といった海外企業と共同パートナーを組んで制作を行い、作品の権利なども共有する。しかし、企画などは海外企業に任せることでコンテンツがヒットするかどうかといったリスクは避けるというかたちになる。もし、そうしたかたちが今後も広がるようであれば、日本と韓国はライバルというよりアニメ制作において住み分けが可能になり、制作分担によるパートナーとなることが出来るだろう。