楽天 スペインの動画配信サイトWuaki.tvを完全子会社化

国内インターネット企業大手の楽天が、海外市場を舞台に映画やテレビ番組、アニメーションの動画配信に乗り出す。
楽天は6月13日に、スペインの動画配信サービス運営会社Wuaki.tvの全株式を取得、同社を完全子会社化したことを明らかにした。買収価格は公表されていない。

Wuaki.tvは2009年にベンチャーキャピタルの出資を受けて設立、バルセロナに本社を置く。同国の動画正規配信サービス企業として注目を集めてきた。
ワーナー・ブラザーズ、ソニー・ピクチャーズ、ディズニー、ピクサー、フォックスといったハリウッドメジャーからスペインの大手コンテンツ企業まで、幅広いコンテンツのパートナーと手を組む。配信ライナップには、米国、ヨーロッパの人気アニメーションも並ぶ。日本アニメでは、『ワンワン三銃士』、『母をたずねて三千里』などの作品も見られる。
また、デバイスでのパートナーではサムスン、LG、パナソニック、フリップスと連携する。配信はPC向けだけでなく、クラウド型のサービスとして、インターネットテレビやタブレット向け、セットボックスを利用した配信を行っている。インターネット時代の新しい視聴サービスを目指した会社だ。

楽天はWuaki.tvの買収にあたり、海外進出としてでなく、敢えてデジタル・コンテンツ分野への本格参入として発表を行っている。そして、今後はWuaki.tvの海外展開に積極的に取り組むとしている。
楽天は国内では有数のインターネット企業で、ポータルサイトとして大きな存在だ。しかし、その存在感はネットショップやネット金融、旅行などEC分野に大きく偏ってきた。同じインターネット企業でもGyaOを持つYahoo! JAPANや他のポータルサイトに比べると情報発信、動画配信などコンテンツ分野が弱い。動画や音楽の配信、電子書籍は今後インターネット上で大きくビジネスが拡大すると見られるが、楽天には足掛かりがない。

今回のWuaki.tvの買収は、既に強力なライバルがいる国内で事業をスタートすることを避け、海外有力企業を傘下にすることで、海外での事業からは始めるものだ。
すでに同じ方法は電子書籍でも取られている。2011年11月に、北米の電子書籍配信サービスの有力企業KOBOを3億1500万ドルで買収している。
海外での事業を拡大、その実績をもとにその後に日本でのビジネスを有利に進めるというやりかたも考えられる。特に日本のコンテンツホルダーは近年、海外展開の動きを強めている。海外に直接、コンテンツを展開するネットワークを持つ日本企業は、ビジネスパートナーとしてかなり魅力的に映るはずだ。

楽天 http://corp.rakuten.co.jp/
Wuaki.tv https://wuaki.tv/