コナミ アニメ「遊戯王」北米ライセンス獲得で4キッズの全資産買取りを提案

日本の大手ゲーム会社コナミは、米国のキャラクターライセンス会社4キッズ エンタテインメント(4Kids Entertainment)の全資産買取りに乗り出した。6月7日、4キッズはコナミの関係会社である4K Acquisitionが同社の全資産の買い取りを米国の破産裁判所を通じて提案したことを明らかにした。
これは連邦破産法第363条例に基づくものであるという。第363条例は、通常の民事再生ではなく、資産の分割売却によって迅速な会社更正を目指すものだ。
4キッズは連邦破産法11条適用提出による事業再生に向けて、資産の競売を計画している。しかし、コナミはストーキング・ホースという仕組みを利用することで、資産買収の優先交渉にあたる。今回、買収交渉を行っている4K Acquisitionは、その社名からコナミが今回の買収を目的に新たに設立した会社と見られる。

近年は、業績不振に揺れる4キッズだが、過去にはポケットモンスターや忍者タートルズ、キャベツ畑人形などの大ヒット作を次々に生み出した米国を代表するキャラクター企業である。現在でも、全米地上波ネットワークのThe CWの土曜日朝に5時間のアニメーション・子ども番組のテレビ放映枠を持つ。
しかし、コナミが今回の買収に乗り出した最大の目的は、4キッズが持つ『遊戯王』のアジアを除く海外地域のマスターライセンスと見られる。コナミはトレーディングカード『遊戯王』のビジネスを日本と海外の双方で手掛けている。4キッズの資産売却で、カードビジネスと密接なアニメやそのキャラクターなどのライセンスが、自社と関係の薄い企業に行くことを防ぐ狙いがあると見られる。
さらにコナミは2010年より欧米で『遊戯王』シリーズのトレーディングカード事業を、自社直轄で行っている。こうした経験がアニメやキャラクターでも活かせるとの狙いもありそうだ。

もともと4キッズの保有する『遊戯王』の海外ライセンスは、同社が日本のADK、テレビ東京などから複数年契約で獲得したものである。しかし、2011年にライセンス料の支払い関する意見の食い違いから、日本サイドからライセンス供与の停止を通告されていた。
4キッズと日本サイドは、そのライセンス供与停止の有効性について裁判所で争ったが、今年春に和解が結ばれている。その結果、4キッズは『遊戯王』の海外ライセンスを引き続き保有することになった。破産裁判所はこの結果を受けて、同社の資産売却の対象として『遊戯王』の海外ライセンスを含めている。

コナミにとっては、米国のキャラクター会社の事業獲得という大きな決断になる。しかし、買収が成立するかの先行きは不透明だ。
実は4キッズの資産買取りには、別の有力企業がすでに名乗り出ているからだ。その会社はKidsco Media Ventures LLCで、メディア関係の大物として知られるハイム・サバン氏の経営するサバン・キャピタルのグループ会社である。
サバン氏は近年、ディズニー傘下でブランド力低下に苦しんでいたパワーレンジャーの全権利を買い取り、再生した実績がある。コナミ同様、『遊戯王』のライセンスとビジネスに関心があるとみられる。両社は今後、買収条件の競争を行うことになる。また、両社の提案が、いずれも4キッズの求める水準に達しなかった場合は競売が行われる。

4キッズ エンタテインメント(4Kids Entertainment)
http://www.4kidsentertainment.com/