成長する中国のアニメとその悩み

近年、急激に量的な拡大を続ける中国アニメであるが、その中国アニメにも悩みは少なくないようだ。7月18日の人民日報日本語版の『アニメブームをめぐる思考 ネックは「量から質へ」』によると、中国のアニメは量だけを取れば既に米国や日本と並ぶアニメーション大国だが質がそれに追いついていないという。
記事によれば、国産アニメの弱点は、オリジナル作品の不足、独自のブランドやキャラクターがないため競争力が弱く、視聴率も低いとしている。また、アニメ産業への支援はテレビドラマへのそれを越えたがブームは上滑り気味で、さらなる支援と基礎固め必要だという。

こうした中国の危機感が、昨今の外国アニメーションに対する厳しい姿勢を生み出している可能性は高いだろう。だが、問題の本質は単なる保護育成策では解決しないのではないのでないだろう。アニメに限らず優れた創造性は自由な発想の中で生まれて来るからだ。中国政府による望ましいアニメといった方針が、創造性と真の競争環境を削いでいるからだ。
日本アニメが受けるのは、性表現や暴力表現に代表されるある意味毒の部分の存在のためだ。日本アニメは、多かれ少なかれそうした毒の影響を受けて日本独特の個性を発揮している。健全なだけの現在の中国のアニメにそれを求めることが出来ない。
また、現在の中国市場の環境の中で、アニメ作品が商品の展開などで確かなビジネスを産めないことも、競争力の発揮出来ない理由とも考えられる。それがさらに中国アニメの政府や地方政府依存を高めている。

しかし、共産党によるメディア統制はアニメの競争力よりさらに重要な中国の国家の在り方に関わることであり、こうした問題が一朝一夕に解決出来るとは思えない。
現在、中国政府の政策を見ると、日本型のキャラクタービジネスを中心としたアニメビジネスを目指しているように見える。しかし、こうしたことを考えると、むしろ中国がアニメビジネスで成功を目指すのであれば、ディズニー型の子供向けで健全なアニメーションを目指す方法が寄り現実的で実現が早いのでないだろうか。