中韓台共同製作アニメにウィズが参加・出資

玩具の企画・製造で知られるウィズは、台湾の人気マンガ『折紙戦士』を韓国、中国の企業と共同制作し、東アジアに広く商品展開をすることになった。原作の『折紙戦士』は1990年代に台湾で発表され台湾、韓国、香港で人気がある作品で、アニメ化後のタイトルは『聖天折紙戦士ドラファラード(仮)』とされる予定である。
この作品の製作委員会には、ウィズのほか韓国の大手放映会社SBSの制作子会社、中国の上海メディアグループ、韓国最大のアニメ制作会社Dongrwoo Animation(同友動画)などが加わる。原作提供の台湾も入れると東アジア4カ国・地域の有力企業が参加する珍しい企画となり、東アジアにおける本格的な共同制作のさきがけとなりそうだ。
作品は、30分もの4クールで構成され、既に今年10月からの韓国での放映が決まっており、その後も中国、香港、台湾での放映が予定されている。

日本のウィズが担当するのはプレプロダクションと言われる企画設定、シリーズ構成、シナリオ、キャラクターデザイン、美術、色彩設定、絵コンテといった部分。実際の制作に当たる部分は韓国企業のDongrwoo Animation(同友動画)が行う。
今回、アニメ制作を担当するDongrwoo Animationは日本アニメの『レジェンズ』、『遊戯王』や米国アニメの『忍者タートル』、『テイーンタイタン』、『バットマン』といった作品の制作も手掛けた韓国最大のアニメ制作会社で、制作技術力には定評がある。近年では、オリジナル作品にも乗り出していることで知られている。
企画や脚本などにアニメの世界観作りに優れた日本の技術を使う一方で、実際の制作にはコスト競争力の高い韓国企業を利用するといった意味合いがありそうだ。ウィズは今回の制作参加により、アジア地域の玩具企画、展開を担当し、成長著しいアジア地域へのアニメ・玩具マーケットへの足掛かりを得ることになる。

今回の共同制作で注目すべきは韓国企業と中国企業の資本が入ることで、外国アニメーションの市場参入規制を設けている両国への進出が容易になる点である。また、こうした共同事業の中で日本企業が提供出来るのものが、日本の得意とするプレプロダクション部分と商品企画展開といった部分であることも確認出来る。今回ウィズは、プレプロダクションのノウハウの提供だけでなく、作品の権利の一部と商品展開といったビジネス機会を確保している点で高く評価出来るだろう。
さらに、この企画が当面の日本での放映を予定してないことは、現在、米国向けで増えつつある現地放映を第一に考え、日本市場の放映を考えないという新しいタイプの海外進出のパターンが、アジア地域でもまた可能であることを示している。アジアにおけるアニメビジネスの新たな方向性を示す今回の共同制作の今後の展開を見守りたい。