バンダイ 乳幼児玩具のピープルと提携

玩具メーカー最大手のバンダイは乳幼児向けの玩具企画開発に特化したピープルの株式20%を7月14日付で獲得した。株式取得金額は約8億円から9億円になったと見込まれている。これによりバンダイはピープルの主要株主第1位となる。一方、株式の売却によりこれまで株主第1位であった創業社長の桐渕真一郎氏は第3位の株主になるが、経営は桐渕社長が続投する。

ピープルは3歳以下の乳幼児向けに特化した玩具企業で、生産の外部委託や小売店への商品直販、委託販売はせず、値引きもしないといった効率経営で知られている。2005年5月期の売上高は27億5600万円、経常利益は2億9000万円であった。
ピープルが、今回のバンダイから資本受け入れるのは、これまでも製造・流通面でバンダイとの密接な関係を保ってきたことに加えて、今回の提携をきっかけにバンダイのネットワークを利用したアジアを中心とした海外市場への進出を計るためである。

一方、バンダイは5月のナムコとの経営統合や今年の株主総会においても企業買収の意欲を明らかするなど、積極的な事業拡大とM&Aを進めている。バンダイは自社にとって有益である企業買収は、積極的に進める方針を持っている。今回の提携は、これまでバンダイにかけていた3歳以下の玩具市場への進出という意味がある。また、バンダイによれば将来的にはピープルの高い商品企画能力とバンダイの持つキャラクターとのコラボレーションも考えているという。

バンダイのM&Aは古くはロボットアニメを得意としガンダムシリーズを制作するアニメ制作会社サンライズ(買収当時は日本サンライズ)の買収やガンダムシリーズを中心とするアニメ版権管理会社の創通エージェンシーへの出資がある。昨今のコンテンツ企業のM&Aブームとは一線を画しており、そうした積極的なM&Aが会社の成長を支えてきた。
これらのM&Aの目的は、得意分野のさらなる強化と自社商品から抜け落ちている市場の補強である。サンライズや創通エージェンシーが得意分野の強化型のM&Aであるなら、女児市場の喰い込み狙ったアニメ制作会社葦プロとの資本提携や文具市場を狙ったセイカ(提携時はセイカノート)は補強型のM&Aと言えるだろう。今回の提携も、バンダイにとっては補強型のM&Aといえる。