海外アニメコンベンションとビジネス

今年もまた7月1日から4日まで4日間の日程で、米国のカリフォルニア州アナハイムにて北米最大の日本アニメのコンベンション・アニメエクスポが開催される。1992年に参加者1,750人始まったこの大会は、日本アニメの人気の広がりに合わせるかのように1998年から急拡大し、今年は35,000人の参加を見込んでいる。

こうした北米や海外で拡大している日本アニメのコンベンションは、他にも米国東海岸のOTAKONやフランス・パリのジャパンエクスポ、ドイツのCONNICHIなどが知られている。しかし、日本からみると海外コンベンションは日本のキャラクターイベントやコミケに代表される同人誌イベント、コスプレイベントとかなり様相が異なっている。
イベントは、日本に多いキャラクター商品の物品販売だけでなく、パネル(講演会、座談会、討論会)、フィルム上映会、コンサート、ゲーム大会、各種コンテストといった日本以上に多彩な内容で構成される総合イベントであるためである。日本では日本SF大会がこれに近いイメージだろう。
こうした内容は、日本では見られないファン同士の交流を促進する機能を持っている。海外のコンベンションの多くは、日本アニメファン活動の拠点である考えると判りやすい。

さらに、企業に取ってはビジネス的にも重要性が高い。日本アニメの人気が高まってきたとはいえ、特に米国ではまだまだ国民全体における日本アニメのファンの比率は高くない。このため日本アニメファンが集中的に集まるアニメコンベンションは、作品を発表するにしても物品販売を販売にするにしても最も効率的に行なえる場所となっている。
例えば、北米で主要なアニメ雑誌のひとつアニメリカを発売していたVizメディアは、これまでの全国書店での発売を打ち切り、主要コンベンションにおける無料配布に切り替える方針である。
勿論、こうしたコンベンション特化型のマーケティングがファン層やビジネスの広がりを自ら抑えてしまう危険もある。それでも現状では、最も効果的にビジネスのターゲットに到達出来る方法なのである。

昨今は、アニメコンベンションの数は米国、ヨーロッパで急増しておりコンベンション間での競争も増している。一昨年、ニューヨークで開催された大規模なイベントのビッグアップルアニメフィスティバルは、その後開催されていない。
こうした中で大手のアニメコンベンションは、最も集客力を発揮する日本からの豪華なゲスト招聘に力を入れている。このため大手コンベンションの巨大化が進んでいる。今後は、身近に行ける地方コンベンションとビジネス色の強い幾つかの大規模コンベンションとの2極分化が広がって来る可能性が高い。
[数土直志]