アニメ著作権とテレビ局

総務省が情報通信・IT戦略の一環として設けている「ブロードバンド時代における放送番組検討会」の第11回会合の議事要旨が公開されている。
この会合は、学識経験者とNHK、民間地上波放送局、映像制作団体の代表から成り立ちブロードバンド時代の番組制作について議論するものである。平成17年3月30日の11回目の会合ではアニメ制作については実写映像と異なるものとの意見があり、その契約のありかたについて大きく議論が行われた。

議論の中心になったのは、実写映像とビジネス形態が大きく違うアニメ制作の契約のありかたや著作権、特に二次使用の問題である。議論のためにまとめられた意見書では、アニメ番組制作の契約は実態として番組委託制作ではなく番組の放映権の許諾契約になっているため、実態に即した契約を行うべきと提言されている。
しかし、それに対する疑問が提起された。問題になったのは、アニメ作品の制作は放送局とアニメ制作会社という2社だけでなく多くの第三者が参加するため通常の番組制作契約と馴染まない点である。さらに、製作委員会の参加者が多様であること、作品の証券化、信託などにより様々な契約形態があることから、それぞれの契約形態の個別性が強いと指摘されている。このため、モデルケースを作ったり、自主基準を想定するのは馴染まないという意見が出されている。

一方、検討会側はそうした状況を理解したうえでの努力を行うよう求めた。また、日本テレビ、テレビ東京、NHKの3社にはそれぞれ要望が出された。日本テレビにつては、“2次利用の配分を制作寄与度に応じる配分”としていることについて“いわゆる日本テレビが著作権を持って制作する作品については”というただし書きを付けること、テレビ東京については“番組の2次利用に関しては、原則としてテレビ東京を窓口とするものとし、行使に関しては番組制作事業者と十分協議”とあるが原則を取れる方向に努力すること、NHKについては“制作費を全額負担するから、著作権がNHKにあるという考え方”に検討が必要と指摘している。こうした要望に対して、各局から実態の説明が行われた。

いずれにしてもアニメ制作の複雑な権利関係や製作のあり方、また製作委員会のあり方と各契約の個別性が強い中で各局ともアニメ制作契約のスタンダートを構築しきれていないことが判る。
また、実写映画と違い2次使用のビジネスが大きいことからビジネス上の思惑もあり、この問題を複雑化させているようである。

総務省 http://www.soumu.go.jp