東映アニメ通期売上330億円で過去最高  ワンピースが引き続き好調

[業績見通しさらに上回る]
5月14日、国内大手アニメ会社の東映アニメーションが平成24年3月期の決算発表を行った。第3四半期まで業績好調を続けてきた同社だが、通期決算でもその好調ぶりが際立った。
平成24年3月期の決算にあたっては、これまで3度、業績見通しを修正していた。しかし、最終的な決算数字は、その修正後の見通しをさらに上回った。
連結売上高は330億1100万円と前年比24.0%増と初めて300億円の大台を超えた。また、営業利益は49億6200万円(同18.6%増)、経常利益は53億900万円(同16.2%増)、当期純利益は31億5400万円(同15.9%増)、いずれも過去最高である。

売上高、利益の伸びは、版権事業、商品販売事業、イベント事業の大きな伸びに支えられている。同社が得意とするアニメ作品から派生する周辺事業の拡大に成功したかたちである。アニメ映像自体のビジネスである映像製作・販売事業は全体の売上高の3割以下である。

[テレビ部門、SNSゲーム、動画配信が好調]
映像製作・販売事業の売上高は96億6900万円(前年比0.4%減)、セグメント利益は5億3900万円(同32.8%減)である。
テレビアニメ部門は製作本数の増加で大幅な増収となったが、劇場アニメ部門は映画本数が減少したことから大幅な減収となった。また、海外部門も為替の影響があり厳しかった。こちらも大幅な減収である。一方、ソーシャルゲーム「スラムダンク for モバゲー」を中心とした携帯関連、PC・テレビ・ゲーム機向けの動画配信も好調で、そのほか部門は大幅な増収だった。

[版権事業、イベントで『ワンピース』が活躍]
版権事業は、高い人気が続く『ワンピース』が引き続き牽引した。商品展開はフィギュア、玩具、アパレル、ゲーム、菓子、生活雑貨など幅広い商品で好調だった。
海外部門でも、アジアで『ワンピース』の商品化権が好調だった。また、ヨーロッパで「ドラゴンボール」シリーズのゲーム化権が堅調で、大幅増収となった。版権事業部門の売上高は113億9700万円(前年比28.5%増)、セグメント利益は49億2800万円(同25.2%増)である。
商品販売事業も、『ワンピース』関連が好調だった。売上高は92億3100万円(同25.1%増)、セグメント利益は6億900万円(同49.5%増)である。

平成24年3月期に特に注目されるのは、イベント事業の急成長である。イベント事業はそのほか事業に分類されるが、この売上高が27億4200万円と前年比の251.7%増と急伸している。この大きな部分をイベント事業が占める。
東映アニメーションはテーマパークのアトラクション、ステージイベントなどのイベント事業に近年、積極的に対応してきた。平成24年3月期は、『ワンピース』の催事イベント、『スイートプリキュア♪』のキャラクターショー等のほか、『ワンピース』の大型イベントが続いている。長崎のハウステンボス、愛知県ラグナシア、東京ドームなどのドームイベント、東京・お台場合衆国などが好調だった。ただし、セグメント利益は2億800万円(同2.4%増)にとどまっている。

[今期見通しは慎重、SNS、映画にビジネス機会があるが業界全体は厳しい]
一方で、東映アニメーションは平成25年3月期については、かなり慎重な見通しを立てる。前期が過去最高の売上高となった反動減があるとし、連結売上高は250億円、営業利益23億円、経常利益26億円、当期純利益17億円を見込む。売上高は24%減、利益面ではいずれも前期の半分程度としている。
同社はアニメ業界では、ソーシャルゲームなどの新メディア、劇場映画で成長が見込まれるとする。一方で全体では引き続き厳しいとしている。

東映アニメは、『ワンピース』、『スマイルプリキュア!』の2作品に加え、『トリコ』、『聖闘士星矢Ω』に力を入れる。ソーシャルゲームからのアニメ化作品『探検ドリランド』も主要タイトルに挙げている。ソーシャルゲームでコンテンツ展開も力を入れる。
劇場映画は『虹色ほたる~永遠の夏休み~』、『アシュラ』、10月の『映画スマイルプリキュア!』、12月の『ワンピース』が言及されている。

東映アニメーション
http://corp.toei-anim.co.jp/