コンテンツの海外展開も 産業革新機構とニフティが新会社

政府系の投資会社である産業革新機構とニフティは、5月10日付で、企業の海外展開をインターネットで支援する株式会社グロザスを共同で設立した。産業革新機構が60%、ニフティが40%を出資する。12億円を上限に事業投資をする予定だ。
発表されたリリースでのグロザスの目的は、「日本のインターネット活用企業の海外展開を促進する新会社」とやや判りにくい。しかし、会社の事業内容はよりシンプルで、グロザスが映画やアニメ、音楽、書籍、マンガなどの海外向けのローカライズ、マーケティング、販売も手掛ける可能性があることが分かる。

発表によればグロザスは、日本に豊富に存在するコンテンツを取りまとめ、海外向けにローカライズする。さらに現地パートナー企業と提携、マーケティング、配信するという。コンテンツのジャンルは言及されていないが、デジタルコンテンツとして一般的な映画、テレビ番組、アニメ、音楽、ゲーム、書籍・マンガなどを視野に入ると見ていいだろう。
また、会社を立ち上げる背景を、技術革新でベンチャー企業・中小企業の海外展開のハードルが低下していること、一方で単独企業ではリソースや経験不足で海外展開の余力が限定的であること、新興諸国では日本のコンテンツや商品に対する需要があることを挙げる。
さらにサービス提供を通じて、ベンチャー企業の海外展開をサポートし、クール・ジャパンを実現するデジリバリー・チェーンを築くともする。グロザスの設立が、クール・ジャパン戦略の一環であることが分かる。

これまで日本のコンテンツやクリエイティブを意識した商品は、海外で人気が高いと指摘されてきた。しかし、その海外展開力は弱い。
こうした産業には中小企業が多く、人的、資金的な余力がないことや、ローカライズの難しさ、流通・販売網が十分でないことがその理由として挙げられてきた。グロザスの設立が、こうした課題の解決を目指していることが分かる。

実際の事業は、グロザスがまず海外展開に必要となるビジネスプラットフォームをインターネット上に構築する。ビジネスプラットフォームは、地域ごとのニーズに沿ったものになる。まず、日本のコンテンツ・商品の人気が高いインドネシアやマレーシアなどのASEAN各国からビジネスをスタートする。
ニフティは、クラウドや情報通信技術、人材、マーケティングのサポートを提供、共同研究開発も担当する。産業革新機構は、経営上のサポートと対外交渉力の強化を分担する。

産業革新機構は、コンテンツ関連分野では(株)All Nippon Entertainment Works(ANEW)設立や(株)出版デジタル機構への出資を行っている。ANEWは、日本のコンテンツを主に映像作品として海外に展開する目的を持つ。一方、出版デジタル機構は出版物のデジタル化の推進が目的だ。
それぞれ海外展開とデジタルが事業の中核を占める。グロザスも同様に海外展開、デジタルを重視しており、今後こうした企業が連携することもあるかもしれない。

産業革新機構
http://www.incj.co.jp/