TGS2009 海外企業の動向レポート1 (中国編)

 2009年9月24~27日、幕張メッセにて「東京ゲームショウ2009」(以下、TGS2009)が開催された。「TGS2009」は最新のゲームコンテンツが紹介され、ゲームファンの注目を浴びる。ただ、日本のメディアで話題になるのは、国内産のハードやソフトウェアが中心であり、なかなか海外まで目が届かない。
 そこで、私は日本の企業には目もくれず、アジアから来日した出展社を中心に取材をした。いくつもの小さな企業を取材しているうちに、世界のゲーム企業を取り巻く「脱コンソール」というべき潮の流れが見えてきた。
【柿崎俊道】

[北京パビリオン]

 行政機関が号令をかけて、海外イベントに複数の企業を出展させ、産業の発展につなげるということはよく行われる。日本でもJETROなどがそうした機会を作っている。多くは国単位で行われるが、市ごとに政策が違う中国は北京市の行政が単独出展した。
 北京パビリオンに参加した企業は14社。その中で気になった2社に話を聞いた。

■ 九合天下科技有限公司

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PCゲームの弱い日本はチャンス

 戦艦のポスターを掲げた九合天下が発表するのは『海戦伝奇 NavyLegend』というオンラインゲーム。第二次世界大戦を舞台にしたFPS調のMMORPGだ。ひとりのプレイヤーにつき、ひとつの戦艦を操作する。写真のような華奢な女の子キャラクターを作った場合でも戦艦に乗り込んで撃ち合う。
 副総裁のDoi Zhe氏は次のように言う。
「『海戦伝奇 NavyLegend』はドイツ、アメリカ、イギリス、日本の艦隊を主に登場させたオンラインゲームです。中国ではミリタリー人気は高く、こうしたゲームが好意的に受け入れられます」
 日本が弱いとか、そういうことはないのか。
「それはありません(笑)。しっかりとバランスをとっていますので、各国は対等に戦えます。今後、イタリア、ソ連、フランス、中国も参戦する予定です」
 Doi Zhe氏は日本の市場をどう見ているのか。
「『海戦伝奇 NavyLegend』は中国では12月からサービスを開始します。日本は来年以降だと考えています。PCゲームはパソコンさえあれば、みんながすぐに遊べます。日本の市場はコンソール(家庭用ゲーム機)が強く、PCは弱い。僕らはそれがチャンスだと思っています」

■ CyWee Group Ltd.

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Wii感覚がPCでも気軽に体験できる周辺機器

 北京パビリオンでモニターに映った『EA Sports Tiger Woods 08』に向かって、白いリモコンを振り回しているスタッフがいた。CyWee Group Ltd.のJason Hsu氏だ。
「弊社の『Wireless HD Gateway』はどんなPCゲームもWiiのように遊べる周辺機器です。富士通、Aser、HPと組んで、今年の3月から中国、ヨーロッパで約100ユーロで発売をしました。すでに実売8万台を達成しまして、手ごたえを感じています」
 白いリモコンの名称は「Multi-Functional 3D Controller」。『Wireless HD Gateway』をPCに接続すれば、気軽にWii感覚が楽しめる。データの送受信がWiFiだけなので、Wiiのような精度が期待できるかどうかなんともいえない。
 だが、ファミリーで気軽にカジュアルゲームを遊ぶには、十分という印象だ。Wiiが狙っている層はさほどゲーム性や精度にこだわらないファミリー層だろう。PCの世界ではゲームは数限りなくあり、無料のものも少なくない。そうしたものが無線のコントローラーで気軽に遊べれば、ターゲットにぴったりと合致する。
 Jason Hsu氏は『Wireless HD Gateway』の日本進出をどのように考えているのだろうか。
「日本はこれからです。ただ、日本はPCゲーム市場は難しいと思っています。コンソールが強いですからね」


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