ユナイテッド・シネマ投資ファンド傘下へ 企業活性化のリヴァンプと業務提携も

シネマコンプレックス運営大手のユナイテッド・シネマの経営が大きく変わる。同社の発行済株式を100%保有する住友商事は、2012年3月9日付でその全株式を投資ファンドのアドバンテッジパートナーズに譲渡した。アドバンテッジパートナーズは、子会社のユナイテッド・エンターテインメント・ホールディングスを通じてユナイテッド・シネマの経営に関わる。
アドバンテッジパートナーズは1992年に設立された国内有数の投資ファンドである。投資先の企業価値を向上させたうえで、企業の売却、上場などを目指す。これまでにダイエーやウィルコム、東京スター銀行など多数の企業に出資してきた。メディア関連では、CGのポリゴンピクチュアズなどの投資の例がある。

ユナイテッド・シネマは、パラマウント・ユニバーサル系の外資系シネマコンプレックスを2007年に住友商事が買収した。全国およそ200スクリーンを持ち、シネコン運営ではワーナー・マイカル・シネマズ、TOHOシネマズ追う第2グループを形成している。
一方、これまでユナイテッド・シネマを保有してきた住友商事は、このほかエンタテイメントメディア分野ではケーブルテレビ事業のJ:COM、映画事業のアスミック・エース エンタテインメントをグループとしていた。同社は3月30日付で、アスミック・エースをJ:COMに譲渡すると発表したばかりである。
ユナイテッド・シネマの売却は、こうしたメディア事業再編の一環とみられる。競争が激化している映画興業から徹底し、映画企画・制作、放送事業にフォーカスすることになる。

また、ユナイテッド・シネマは今回の株主の変更に伴い、新たに企業活性化のコンサルティングなどのリヴァンプとの包括的な業務提携を3月16日に結んだ。同社はファーストリテイリングなどで経営の経験を持つ澤田貴司氏らが2005年に設立した。これまでにロッテリアのリブランディング、再生などの経験がある。
業務提携によりユナイテッド・シネマは、3月16日付でリヴァンプから常勤取締役、社外取締役を各1名迎えた。緊密な事業運営を目指すことになる。

ユナイテッド・シネマは、シネマコンプレックス業界は、現在、業績の低迷が続いているする。一方で、シネコン業態は投資やオペレーションから見れば再成長の余地が大きいともする。リヴァンプがマーケティング・プロセスの改善や新規コンテンツ開発をサポートすることで企業価値が向上すると見る。
具体的な取り組みでは、劇場設備のデジタル化や3D 化をさらに強力に推し進める。また、ODSと呼ばれるエンタテインメントやスポーツなどの映画以外の番組編成を強化する。さらにオリジナルコンテンツの開発にも取り組む予定だ。家にはないエンタテイメントのライブな体験の場として性格を強める劇場運営にユナイテッド・シネマも乗り出すことになる。

ユナイテッド・シネマ http://www.unitedcinemas.jp/
住友商事 http://www.sumitomocorp.co.jp/
アドバンテッジパートナーズ http://www.advantagepartners.com/
リヴァンプ http://www.revamp.co.jp/