アニメでも活躍アスミック・エース J:COMが完全子会社化

ケーブルテレビ事業の最大手ジュピターテレコム(J:COM)が、映画・番組製作に本格的に乗り出す。3月8日J:COMは、映画・番組製作の有力企業アスミック・エース エンタテインメントの全株式を取得、完全子会社化することを明らかにした。
アスミック・エースの株式は、現在、住友商事が96.6%を保有する。J:COMはこの譲渡を受け、さらに少数株主からも株式を取得する。3月30日付で子会社化、連結子会社とする。アスミック・エース の2011年3月期の売上高はおよそ97億円、営業利益2億6500万円、当期純利益は2億4800万円となっている。譲渡価格は明らかにされていない。

J:COMは16社51局のケーブルテレビ事業会社を統括する。グループ全体で約363万の視聴世帯を抱える。さらに17の専門チャンネルに出資、運営を行い番組供給もする。「J SPORTS」や「ムービーTV」、「ゴルフネットワーク」などのチャンネルを持つ。国内のケーブルテレビ、専門チャンネルの主力プレイヤーである。
一方で同社は中期事業計画において、独自コンテンツ開発を成長戦略の筆頭に挙げていた。今回のアスミック・エース子会社化は、こうした自社独自コンテンツの強化の有力な手段となる。同時に、衛星テレビチャンネルの拡大などで競争激化する国内放送業界で、ケーブルテレビ事業者がコンテンツ製作に本格進出する点でも注目される。
今回の買収は、住友商事のグループ会社再編といった側面もある。住友商事はJ:COMの株式の4割は保有する筆頭株主である。多ウィンド化がますます進み変化が激しいメディア業界で、関連事業を集約することで生き残りを図る。

アスミック・エースは、1981年に設立されたヘラルド・エースとアスミックを源流とする老舗に映画製作会社である。映画製作・出資、海外映画の買付け、海外向け番組販売、映画配給、映像パッケージの発売と映画関連事業をフルラインで展開する。
代表作には『大奥』、『武士の家計簿』、『トランスポーター』などの作品がある。良質な作品ラインナップで定評がある。
同社はアニメーション分野でも存在感を持ってきた。映画では、2010年に劇場公開した『東のエデン 劇場版』、『イヴの時間』のヒットが知られている。また、長年、ドリームワークス・アニメーションの国内配給を手掛けていた。
テレビアニメでは、フジテレビで放映されるアニメ枠「ノイタミナ」の初期の作品の企画に大きく関わった。『のだめカンタービレ』や『東のエデン』、『もやしもん』などのヒット作がある。
今後はJ:COMと連携したビジネスも期待できそうだ。ケーブルテレビ事業との新しいシナジーが期待される。

ジュピターテレコム http://www.jcom.co.jp/
アスミック・エース エンタテインメント http://www.asmik-ace.co.jp/