政府系コンテンツ海外展開会社ANEW設立 経営陣発表

産業革新機構は、日本コンテンツの海外展開会社である株式会社 All Nippon Entertainment Works(オールニッポン・エンタテインメントワークス:ANEW)の設立と代表取締役CEO、代表取締役COOの就任を発表した。新会社は資本金6億円、東京に本社を持ち、全額を産業革新機構が出資する。
代表取締役CEO(最高経営責任者)は米国のMGMスタジオやユニバーサルスタジオなどで経営に携わってきたサンフォード・R・クライマン氏に決まった。代表取締役COOには、ソニーや日活、円谷プロダクションで日本コンテンツの海外展開の経験を重ねてきた黒川裕介氏が就任する。ANEWは今年2月より活動を開始しており、今後ロサンゼルスにも支店を設立する予定だ。

ANEWは日本コンテンツを海外展開する企画開発の会社となる。海外展開を支援する組織の必要性は、これまで政府の知的財産戦略本部などで指摘されてきた。それを受けて、昨年来、経済産業省が日本コンテンツの海外展開戦略の中核を担う組織としてANEWの設立を目指していた。
新会社を設立する産業革新機構は、政府と民間の出資によって2009年7月に法律に基づき設立された。日本の次世代産業の育成を目的に戦略的投資をする。投資枠は総額約2兆円となっている。これまでに医薬・バイオ、中小型ディスプレイ、自動車部品などの企業に出資をしてきた。ANEWの設立はこの一環である。産業革新機構は、既にANEWに60億円の出資をすることを決めている。政府がコンテンツ産業育成、海外展開支援を重視していることが分かる。

当面のANEW役割は、日本のコンテンツを活用したグローバル市場向けの映画開発になりそうだ。同社が、ハリウッドスタジオや世界的な映画会社と協力したエンタテインメント作品の企画開発を目指すとしているからだ。CEOのサンフォード・R・クライマン氏、COOの黒川裕介氏が、海外とりわけ米国の映画業界で経歴が長いことからもそれは見て取れる。
今後ANEWは、個別案件の企画開発を進める。これにあたり国内のコンテンツ保有企業、関連会社と協力する。すでにコラボレーションパートナーとして、アスミック・エース エンタテイメント、石森プロ、セガトイズ、タカラトミー、テレビ朝日、TBS、電通、東宝東和、日活、日本テレビ、フジテレビ、プロダクションI.G、三菱商事、読売広告社が参加を決めている。

昨年、夏の設立決定以来、ANEWの事業展開には、大きな注目が集まっていた。今回の会社の設立と経営陣決定で、これが具体的に動き出す。
日本のコンテンツの質、量、多様性は、国際的に評価が高い。また、競争力のある分野とされている。しかし、これまではそうしたコンテンツを十分ビジネス化出来ずに、日本の企業が得る利益は小さかった。日本コンテンツの固有性、海外のメディア企業に対する交渉力の不足、海外企業とのネットワーク不足などの課題があるからだ。
ANEWが国内各社の関連企業のノウハウが結集させることで、こうした課題を乗り越えることが出来るのが今後の課題だ。日本コンテンツの利益の最大化を目指すANEWの今後の活動が注目されている。