文化庁メディア芸術祭贈賞式開催 功労賞に木下小夜子氏

受賞作品展会場の様子

2月21日、六本木の東京ミッドタウンホールにて、第15回文化庁メディア芸術祭の贈賞式が開催された。これは2月22日から3月4日の日程で開催が始まった受賞作品展に先立つものだ。会場にはメディア芸術祭の作品の幅広さを反映して、国内外からメディアアート、アニメーション、マンガ、ゲーム、ウェブなど様々な分野の関係者が集まった。
挨拶に立った平野博文 文部科学大臣は、「日本の文化は伝統文化とアニメやマンガ、ゲームなどの現代文化が共にある」とその豊かさを指摘、これを国内外に発信し行きたいと述べた。、開催15年を迎えるメディア芸術祭は、開催当初の応募総数は730点、受賞作品展は2日間で2000人だった。それが今年は海外からだけで900点、全体で2700点の応募があった。昨年の受賞作品展は7万人を超える来場者が訪れている。こうした成果を今後とも広げていくという。

アニメーション部門の大賞は、『魔法少女まどか☆マギカ』と今日的な作品となった。部門審査委員主査の古川タクさんは、「テレビ放映開始と伴にファンの心を鷲掴みにした。企画、演出、脚本いずれもが審査委員の高評価を獲得した」と作品を評した。
アニメを制作したアニメ制作会社シャフトの久保田光俊社長がトロフィーを受けとった。制作中は東日本大震災が発生するなどもあったが関係者の協力で乗り越えたと感謝を述べた。
マンガ部門の大賞は、岩岡ヒサエさんの『土星マンション』である。近未来、人の住めなくなった地球とそれを取り囲むコロニーに住む人々を描いた。岩岡さんは「5年半の間、みんなから助けられ描いてきました。これからもコツコツ描いていきます」と、今後の作家活動にさらに意欲的に取り組んでいく。
また、アート部門は「Que voz feio(醜い声)」の山本良浩さんが、エンターテインメント部門は「SPACE BALLOON PROJECT」(大八木翼/馬場鑑平/野添剛士/John POWELL)がそれぞれ大賞を受賞している。このほか4部門それぞれの優秀賞、新人賞の受賞者にトロフィーが贈られた。

アニメーション関連では、もうひとり受賞者があった。功労賞の木下小夜子さんである。木下さんは、長年、広島国際アニメーションフェスティバルの運営に携わってきた。映画祭の企画とその実現、統括を通じ国内外のアニメーション文化の交流に尽力してきた。2006年から2009年は、国際アニメーションフィルム協会の会長も務めている。
木下さんは「広島の市民に感謝しています」、また「アニメーションには未曽有の可能性」があるとフェスティバルの成功とアニメーション文化に触れた。そして、「そうした可能性を広げる後継者は育っている、一方でそのための資金は多くない」と、各方面からの今後のさらなる協力も訴えた。

 

第15回文化庁メディア芸術祭 受賞作品

木下小夜子氏

■ アート部門
大賞
Que voz feio(醜い声) 山本良浩
優秀賞
particles  真鍋大度/石橋 素
The Saddest Day of My Youth  Brian ALFRED
つながる天気  片山義幸
BLA BLA   Vincent MORISSET
新人賞
Monkey Business  Ralph KISTLER / Jan SIEBER
SENSELESS DRAWING BOT  菅野創/山口崇洋
HIMATSUBUSHI  植木秀治

■ エンターテインメント部門
大賞
SPACE BALLOON PROJECT  大八木翼/馬場鑑平/野添剛士/John POWELL
優秀賞
べろべろ  田中秀幸
相転移的装置  勝本雄一朗
The Museum of Me  田中耕一郎/谷川英司/斎藤精一/坂本政則/村山健
アナグラのうた~消えた博士と残された装置~   犬飼博士/柴崎亮介/飯田和敏/有山一郎/笠島健司/禿真哉
新人賞
デジタル戦士サンジゲン  仲村海斗
Hietsuki Bushi  Omodaka
リズムシ  成瀬つばさ

■ アニメーション部門
大賞
魔法少女まどか☆マギカ  新房昭之(監督)
優秀賞
鬼神伝  川﨑博嗣
ももへの手紙  沖浦啓之
マイブリッジの糸  山村浩二
Folksongs & Ballads Mathieu  VERNERIE/Pauline DEFACHELLES /Rémy PAUL
新人賞
やさしいマーチ  植草航
Rabenjunge   Andrea DEPPERT
rain town   石田祐康

■ マンガ部門
大賞
土星マンション  岩岡ヒサエ
優秀賞
あの日からのマンガ  しりあがり寿
皺  パコ・ロカ(著)/小野耕世、高木菜々(訳)
秘密 トップ・シークレット  清水玲子
ファン・ホーム -ある家族の悲喜劇-  アリソン・ベクダル(著)/椎名ゆかり(訳)
新人賞
なかよし団の冒険  西村ツチカ
まげもん。  昌原光一
マスタード・チョコレート  冬川智子

■ 功労賞
木下小夜子