「ソウルイーターノット!」日米同時連載 スクエニが挑戦

 スクウェア・エニックスが、日本マンガの海外展開で新たなビジネスに挑戦する。2月10日、「月刊少年ガンガン」(毎月12日発売)に連載中の大久保篤さんによる人気マンガ『ソウルイーターノット!』の日米同日連載を開始した。
 2月10日に発売された「月刊少年ガンガン」に掲載された本作のエピソードが、同日に米国のウェブマンガ誌「YEN PLUS」に掲載された。日本で発表された最新作が、米国でも同時読めることになる。

 『ソウルイーターノット!』は、単行本累計1000万部を突破、アニメ化も人気を呼んだ『ソウルイーター』のスピンオフ作品である。作者自らが、もうひとつの『ソウルイーター』として展開している。
 シリーズは日本だけでなく、海外でも人気が高い。そんな作品だけに、今回の試みは、米国でかなり注目を集めそうだ。

 日本のアニメ、マンガの世界展開が進むなか、各国のファンからは日本でリリースされた最新作品をいち早く読みたいというニーズが高まっている。そうした声を背景に、近年、リリース時差は急激に縮まる傾向にある。特にアニメでは、日本の放映直後に世界各国に向けて正規配信するケースも増えている。
 一方、マンガでは、翻訳、編集の手間がかかること、米国では日本のマンガ誌にあたるものがないことから、アニメのような同時展開はなかった。

 しかし、デジタルマンガの普及がこうした状況を変え始めている。先月末に、北米でスタートした英語デジタル版の「少年ジャンプ」は、紙雑誌をデジタルに切り替えることで日本とのリリース時差を一気に2週間に縮めた。
 『ソウルイーターノット!』ではこれをさらに推し進め、これまで不可能と言われてきたマンガの日米同日展開を実現する。ここでもデジタルマンガ誌の存在がこれを可能にしている。
 米国で『ソウルイーターノット!』を連載する「YEN PLUS」は、世界的な有力出版グループHachette Book Groupの米国地域のマンガ部門YEN PRESSが運営する。かつては紙雑誌だったが、現在はウェブでのみの展開だ。デジタルに移行したことで購読料金を月額2.99ドルに抑え、さらに今回のようなスピードが要求されるビジネスも実現した。

 スクウェア・エニックスは今回の取り組みについて、同日連載は国内のマンガ作品で唯一つの試みとしている。さらにこれにより、グローバルビジネスで大きな問題である海賊版対策になるとしている。そのうえで今後も日本発のマンガのグローバル展開の発展を目指す方針だ。

スクウェア・エニックス http://www.square-enix.com/jp/
「YEN PLUS」 http://www.yenpress.com/yenplus/