アジア共通プラットフォームを検討 第3回アジア・コンテンツ・ビジネス・サミット開催

■アジア共通プラットフォームの課題と日本のメリット

草深係長に、日本にとってのアジア共通プラットフォームのメリットと今後を聞いた。

Q) アジアにとって「Pan Asia Channel」とは?
草深) メイドインアジアのコンテンツを流通させるアジア共通プラットフォームとしての「Pan Asia Channel」は魅力的な提案である反面、課題もある。今後、アジア共通のプラットフォームが導入された場合、アジア各国もしくは地域全体でどのような経済インパクトがあるかを分析し、実現可能性を官民合同の枠組みの中で検討することは、ACBSの一つの挑戦として価値あるものと思う。

Q) アジア共通プラットフォーム提案の背景とは?
草深) 情報通信技術の急速な進展により、衛星やケーブル、インターネットを介した映像コンテンツの視聴率向上、そしてスマートフォン等の多機能携帯端末・電話機の普及による映像コンテンツを用いた新たなビジネスの拡大がアジアでも予想される。成長著しいアジアでは、そのようなビジネスは他地域よりも顕著になることだろう。
一方、映像コンテンツがテレビやインターネットを通して人や産業に与えるインパクトは大きく、アニメや映画、ドラマの登場人物がいろいろな形で利用され、情報通信や観光、ファッション等のサービス業や製造業など多種多様な産業を後押しするようになってきた。アジアには、質の高いコンテンツを制作する企業が育ちつつあり、単なる下請けではなく、自ら製作しアジアをはじめ世界へ売り込める企業が増加する可能性を秘めている。
アジアにおけるモノ・サービスの産業振興、雇用創出、そして欧米諸国への参入促進を考える際、コンテンツを起点として多様な産業を巻き込みながらビジネス展開を図ることが重要になる。その意味から、幅広い映像コンテンツが視聴できる環境をアジア全体で作ることは、アジア全体で生産と交易を増加させ、若年層の雇用を創出する。ひいては、市民のリテラシーを向上させ、ソーシャルインクルージョンも促すことだろう。

Q) アジア共通プラットフォームの課題とは?
草深) アジア各国・地域をカバーするプラットフォームを考える際、各国の規制や国家間の条約だけでなく、各国の情報通信インフラの整備状況やメディア企業の情報、端末普及率(PCや携帯)等の市場データを基にアジア規模でのバリューチェーンを考慮する必要がある。
また、各国・地域に与える経済インパクト、プラットフォームの形態や他産業も含めたアジア全体の生産性向上の在り方について分析すべきであろう。

Q) 日本にとってのメリットは?
日本は、幅広いコンテンツをアジアへ輸出し、他産業への波及も含めたビジネス展開を図るべきであろう。具体的には、我が国の映画、アニメ、ゲームを中心に、観光、ファッション等のモノ・サービスの輸出拡大を図ることが一例だ。他産業への発展では、アニメからゲーム、ファッション、キャラクター商品等のノウハウを持つ日本が他国をリードできるだろう。
つまり、コンテンツやメディア産業の振興に留めず、日本とアセアン、東アジア諸国・地域間の貿易の円滑化、さらには欧米進出というスケールで見れば、日本はアジア諸国・地域とウィン・ウィンの関係を構築できるだろう。

Q) アジア共通プラットフォームの今後の進め方は?
ACBSメンバーが中心となって検討を行い、将来的には民間ベースでの実現に移行させる。
実運用の段階で日本が影響力を行使するためには、プラットフォーム構想段階で日本が議論をリードすることが必要だろう。
プラットフォームを活用してコンテンツを正規に流通できる環境をアジアに広げることは、多種多様なコンテンツを持つ日本にとってメリットが大きい。