「放浪息子」「乙嫁語り」米国図書館協会10代向けコミックベスト10に

全米図書館協会の若者向けサービス部門(YALSA)が、2012年の10代向けのグラフィックノベルのベスト10( 2012 Top Ten Great Graphic Novels for Teens)を発表した。このなかには日本から森薫さんの『乙嫁語り』(米国出版社:Yen Press)、志村貴子さんの『放浪息子』(Fantagraphics Books)が選ばれた。
今回、対象になったグラフィクノベルは、単行本スタイルのアメリカンコミッククスや米国で発売された日本マンガなどむ海外作品も含んだものである。

ベスト10は、YALSAが12歳から18歳の若者に相応しいグラフィックノベルとして毎年公開している。まず、数十冊程度の優れた作品(Great Graphic Novels for Teens)をピックアップする。そのうえでさらにベスト10を絞り込む。
今年の全体リストには56作品が挙げられている。この中にはベスト10に入った2作品のほか、加藤和恵さんの『青の祓魔師』(VIZ Media)、雷句誠さんの『どうぶつの国』(講談社USA)、由羅カイリさん作・ 雪乃紗衣さん原著の『彩雲国物語』も含まれている。また、日本のマンガ家・海老根一樹さんが、米国のペンギンペーパーで出版していた伝記マンガ『マハトマ・ガンディー』も選ばれた。

『乙嫁語り』は、国内では2008年からマンガ雑誌「Fellows!」(エンターブレイン)に連載されている。19世紀末の中央アジアを舞台にした世界観が魅力だ。
『放浪息子』は、女の子になりたい男の子である二鳥修一を中心に思春期の子供たちの心を描く。2011年にはテレビアニメ化もされ好評を博した。

YALSA(米国ヤングアダルト図書館サービス協会)は、米国の図書館団体である全米図書館協会の下部組織である。図書館司書の情報交換や若者たちの読書振興を目指している。YALSAの公表するリストは全国の図書館司書の指針ともなるので、その影響は大きい。
米国でも日本と同様に暴力シーンが多いと批判されることが少なくない日本マンガだが、YALSAは毎年ベスト10に日本マンガを含めている。ストーリー性や文学性が高いとされる日本マンガを別の視点から評価する。
これまでに『土星マンション』、『PLUTO』、『大奥』、『デスノート』といった作品がベスト10に挙げられてきた。また、森薫さんは2008年の『エマ』に続く2度目のリスト入りとなる。

YALSA(米国ヤングアダルト図書館サービス協会)
http://www.ala.org/yalsa/