北米のマンガ事情第10回 『セーラームーン』が北米でなぜ今売れているのか。

■ 「エバーグリーン」である作品

身も蓋も無い言い方で申しわけないが、こうして『セーラームーン』新英語版発売の背景を見てきても、同作品がどうしてここまでアメリカのファンを魅了し続けているのか、どうして売れているのかは、わかったようで本当のところはわからない。しかし『セーラームーン』のような「エバーグリーン」だからこそとは言え、20年近く前の作品であっても新商品としての適切なパッケージングや適切なプロモーションをしさえすれば売れるということは証明された。北米のマンガブームが去ったと言われている最中に『セーラームーン』が示したことは大きい。

日本よりも1作品の人気のピークが長いと言われる北米では、「エバーグリーン」となる日本マンガはきっとまだある。既に挙げた『ドラゴンボールZ』だけでなく、『攻殻機動隊』や『AKIRA』もそうかもしれない。(来年は『AKIRA』の第1話が『週刊ヤングマガジン』に掲載されてから30年目にあたる。)そして既存の作品だけでなく、これからも長く愛される将来の「エバーグリーン」が、作られていって欲しいと個人的には思っている。

アニメで言うと昨年は、VIZ Mediaが北米でのライセンスを買った『タイガー&バニー』を「北米では久しぶりの大ヒットになる可能性を秘めた作品」として挙げるアニメ関連のライターが多かった。どうやら期待ほどではないようだが、今後の展開に期待したい。

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