2011年 アニメビジネス10大ニュース

[2011年 中国市場への新たな挑戦]

 アニメの海外展開の必要性が叫ばれるなか、2011年で話題が多かったのは中国である。12月にテレビ東京が日本のテレビ放送と同日で『NARUTO』などのインターネットの正規配信を開始した。中国のアニメファンにいち早く最新作を届ける。また、ADKも2月にアニメ事業を目的とした現地法人北京IMMG国際文化伝媒有限公司を立ち上げ、やはりインターネットを通じたアニメ配信を開始している。
 中国は日本アニメファンが多く魅力的な市場である。しかし、これまでは新作のテレビ放映が事実上制限されていること、劇場上映や販売の許諾が難しいこと、海賊版が多いことなど課題の多いとされてきた。放送や映画より規制の緩いインターネットで新たに市場開拓をし、また正規配信による違法配信対策を目指す。
 このほか2011年には、日中合作映画『チベット犬物語~金色のドージェ~』の全国公開、トムス・エンタテイメントによる『劇場版 名探偵コナン』の全国公開、中国企業によるアニメ『一休さん』の劇場アニメ化発表、テレビ東京による日中合作アニメ『トレインヒーロー』企画発表がされている。角川グループや講談社が、現地でのマンガ雑誌出版に乗り出したことも大きなニュースだ。
 政治的には、日中アニメフェスティバルが行われ、両国のアニメ産業の協力を模索する動きも強まっている。2012年以降もこうした動きが継続されるかが注目される。

[北米市場激変]

 国外の巨大市場、米国でも大きな動きがあった。北米最大の日本アニメ企業ファニメーションは、経営者と投資家によるMBOを使った企業買収が行われ、親会社ナバレから独立した。ナバレは、昨年来、ファニメーションのビジネスはコア事業でないとして企業売却を模索していた。
 独立したファニメーションは、従来の映像パッケージ、ライセンス管理だけでなく、インターネット配信や独自のアニメ製作に力を入れる。より機動的な体制で、新ビジネスを目指す。

 また、2000年代初頭からアニメブーム、マンガブームを牽引したふたつの企業が、業績不振から大きな転機を迎えた。『遊戯王』を手がけ、『ポケットモンスター』のキャラクターの世界市場導入に大きな役割を果たした4キッズエンタテインメントは、4月に連邦破産法第11条を申請、事業は継続しているがその売上高はかつての1/10程度まで縮小している。
 アニメでなく、マンガ分野となるが、翻訳マンガ出版の大手TOKYOPOPが同じ4月にマンガ出版から撤退を発表した。TOKYOPOは、単行本の右びらき、書店への積極的なプロモーションで日本マンガの北米市場開拓を進めたことで知られる。一方、マンガ出版では、講談社USAのビジネスが活発化、日本のデジタルコミック協議会の支援を受けるJMangaの電子マンガサービスも始まっている。 

[「同時展開」がキーワードに]/[オリジナル作品の活躍]/[体験型映像ビジネス:ライブ配信]
[震災がもたらしたもの]/[アニメ企業はどこに向かう]/[新設会社の動向]