有料TVの世界市場 2012年末に18兆円超を予測

 米国のテクノロジーマーケット調査会社ABIは、世界の有料テレビ市場についての調査をまとめ、その概要を発表した。その調査結果からは、世界的に拡大を続ける有料テレビ市場の現状と、CATVやIPTV、OTTなどを巡る環境の変化が読み取れる。
 ABIによれば世界の有料テレビ市場は成長を続けており、2012年末までにその売上高は2360億ドル(18.4兆円:1ドル=78円で計算)に達するという。市場の成長は、IPTV(インターネットテレビ)やブロードバンドインターネット経由で見るテレビ放送オーバーザトップ(OTT)の利用者の増加に助けられている。

 一方で、有料テレビの売上セグメントでも、新たな変化がみられる。近年まで成長の柱であったケーブルテレビが、インターネットなどを経由する新興のサービス、IPTV、OTTなどとの厳しい競争にさらされているためである。2011年には、有料テレビ市場におけるケーブルテレビのシェアは、前年比微減となり、2012年には全体に占める割合は48.6%になるという。
 特にこうした傾向は北米で顕著で、ケーブルテレビの視聴者は減少しつつある。しかし、他の地域では有料ケーブルテレビの視聴は伸びており、とりわけ新興国では価格競争が強く、ケーブルテレビが優勢とみる。

 さらにABIは、最新の業界の動きとして、テレビサービスの多ウィンドウ化を挙げた。iPhoneやiPadなどの新世代のデバイスの動向に注目する。
 有料テレビの運営企業はこうしたサービスの取り込みを目指して既に動き始めている。代表的な企業としてフランスのIPTVサービス会社Orange、ベルギーのケーブルテレビ会社B.net、イギリスの衛星テレビBSkyBなどが挙げられた。