米国ファニメーション アニメの有料配信サービススタート

 米国最大の日本アニメ販売・流通会社であるファニメーションが、アニメ作品の有料配信に乗り出した。従来の無料配信に加えて、11月3日より「Elite Subscription 」というサービスを開始した。
 「Elite Subscription 」では月額7.95ドルで、200タイトル以上5500話のテレビアニメ、アニメ映画をコマーシャルなしで視聴出来る。このうち1500話はHD画質での配信となる。サービス開始にあたって現在は、2週間のフリートライアルを行っている。

 また、有料配信ならでのサービスはこの他にも盛りだくさんだ。しかし、サービスの最も大きな魅力はノーカット=完全版、そしてスピードとみられる。
 例えば、お色気が人気の『フリージング』のノーカット完全版、『ダンス・イン・ザ・ヴァンパイア・バンド』、『セキレイ』、『ストライク・ウィッチーズ』のノーカット版はElite Subscriptionにだけ提供される。また、『FAIRY TAIL』はElite Subscriptionに、通常より数カ月早く配信、劇場版『TRIGUN Badlands Rumble』、『銀幕ヘタリア Axis Powers Paint it, White(白くぬれ!)』といった劇場映画の配信もある。また、ニュースなどの情報もいち早くElite Subscriptionに伝えるとしており、まさに有料クラブ会員の様だ。

 米国で日本アニメに特化した有料配信は、これまで難しいビジネスとされてきた。ファンサブと呼ばれる違法配信が多いことから事業が成り立ちにくいからである。
 クランチロールのみが、月額課金の有料配信サービスを行っている。こちらは月額6.95ドル、しかし、その会員数は数万人規模とみられ必ずしも多くない。こうしたなかでファニメーションの付加価値が、どの程度ファンにアピールするかがビジネス成功の鍵となるだろう。
 
 ファニメーションは3週間前に、日本アニメの番組配信でニコニコ動画英語版との提携「FUNico」の設立を発表したばかりである。ニコニコ動画で日本アニメのテレビ放送と連動した米国での同時期配信を行う一方で、より質の高い映像、プラスαのプレミア価値で有料課金を目指す。ファニメーションはDVD・BDの販売も引き続き展開する。
 この結果、無料配信で作品の認知度を高め、映像パッケージと有料配信から収益を得るビジネスモデルが築かれる。無料配信をテレビ放送に置き換えると、現在の日本のアニメビジネスとよく似た戦略となる。
 今春の経営者らによるMBO以降、ファニメーションの動きが活発化している。米国の最大の日本アニメ企業の積極展開は、今後も目を離せない。

ファニメーション http://www.funimation.com/