VFX-JAPANの設立目指す キックオフミーティング

 東京国際映画祭、TIFFCOMの開催期間中には、数多くのセミナー、シンポジウムが開催されたが、その中でも印象的なもののひとつが、10月27日に六本木ヒルズ・開催された「VFX-JAPANキックオフミーティング」だ。
 ゲストに、樋口真嗣監督、荒牧伸志監督、マイケル・アリアス監督といったアニメファンにもお馴染みの名前も並んだことも勿論ある。しかし、満員の会場を盛り上げたのは、VFXのための団体を設立するというモデレーターを務めた秋山貴彦監督らの熱意だった。明確な目的の設定が、シンポジウムに深みを与えた。

 秋山監督によれば、現在、CGやVFXの制作はブラックボックス化し、クリエイターの顔が見えないという。また、業界には不安要素が多く、こうした状況に危機感を持っている人も少なくない、情報共有の必要性もあり、米国のVES(ビジュアル・エフェクト協会)をモデルにVFX-JAPANを構想した。
 VFX業界にあまり詳しくないこともあり、驚くことの多い話だった。映像の急激なデジタル化、CG化、テクノロジー化の流れのなかで、VFXやCGは成長産業とのイメージが強い。VFX-JAPAN設立も、成長期によく見られる業界団体の結成の動きと思っていた。だから、この問題の指摘は予想外だった。

 シンポジウムのスタートの話題、「VFXとSFXの違い」も、あまり意識していなかったことだった。また、大屋哲男氏、尾上克郎氏、佐藤敦紀氏の経験談からは、VFXは今になって突然浮上したものでなく、それ以前の映画撮影技術と連続していることが分かった。
 ポストプロダクションや特撮技術と密接につながっており、新しい技術の導入とこれまでの経験を発展することで日本のVFXが生まれたことが理解できる。VFXのリアルな世界を垣間見るような話である。

 映像制作における重要性が高まっているなかで、一般からはそれらは必ずしも十分理解されているとは言えない。VFXの啓蒙活動もVFX-JAPANの目指すもののひとつなのかもしれない。
 その点では、すでにVFX-JAPANの成果は上がり始めている。本シンポジウムはUstreamでも配信されており、会場以外にも伝えられている。10月にはCGWORLD 2011 クリエイティブ カンファレンスでは「VFX-JAPAN 宣言」と題されたセミナーも行われた。今後も、さらにこうした活動を広げていくという。 
 こうした業界内外への理解を深めることで、組織の実現を目指してことになる。実際のVFX-JAPANの設立だが、秋山監督によれば、来年の春ぐらいになんらかの組織が出来ればいいとのことだ。今後の展開が期待される。

VFX-JAPAN Home Page  http://vfx-japan.com/

VFX-JAPANキックオフミーティング(Ustream)
http://www.ustream.tv/recorded/18138088