料金引き下げ戦略見直し TOHOシネマズ効果見られずと

 大手劇場興行会社のTOHOシネマズは、今年4月から一部のシネコンで導入していた映画鑑賞料金の一律値下げや新サービスのテスト導入の大半を打ち切ることを明らかにした。12月1日から一部のサービスを除き、原則もとの料金体系に戻される。
 テスト導入は料金体系の簡素化を目指したもので、地方の7劇場で実施されていた。なかでも一般料金を1800円から1500円に、高校生料金を1500円から1000円へ値下げしたことが注目を集めていた。しかし、TOHOシネマズは、半年間のテスト期間で当初期待していた入場者数の増加効果を得られなかったとしている。

 テスト料金の導入は今年1月に発表、4月以降宇都宮(栃木)、緑井(広島)、長崎、与次郎(鹿児島)、甲府(山梨)、上田(長野)で導入されている。通常料金の値下げと同時に、レディースデイ、シニア料金、レイトショー料金などの割引サービス終了などを行った。分かり難いとされる映画鑑賞料金の簡素化や料金値下げによる需要喚起を狙ったものだ。
 しかし、半年間のテスト導入劇場への入場者数は、全国平均と比べて約5%ダウンした。新しい料金体系に映画ファンの支持が集まらなかった。

 こうした結果を受けて、TOHOシネマズは通常一般料金を1800円に戻すほか、レディースデイ、シニア料金、レイトショー料金を復活させる。ただし、高校生料金1000円は映画ファン育成の観点もあり、7劇場で今後も継続する。また、シネマイレージ会員の常時1300円での鑑賞特典も該当劇場で続ける。
 TOHOシネマズはこれまでのテスト結果を受けて、他の劇場の料金を考えるとしている。近年、映画鑑賞の適正料金のあり方についての議論は多い。今回のTOHOシネマズの決定は同社だけでなく、こうした映画興行全体の今後の戦略にも影響を与えそうだ。

TOHOシネマズ http://www.tohocinemas.co.jp/