新時代の強者連合は何を目指す ハイチューブとウルトラスーパーピクチャーズ

(c) Good Smile Company (c) TETSUJIN Inc.(c) Ultra Super Pictures(c) HiTUBE,INC.

 日本のポップカルチャー文化に新たな流れを生み出すかもしれない、そんな気持ちを呼び起こす大きな発表が10月27日に、東京・秋葉原で行われた。戦略的なライセンスビジネスを掲げる株式会社ハイチューブと新アニメスタジオ ウルトラスーパーピクチャーズの設立である。
 10月21日にすでに設立発表されていたハイチューブの株主は、グッドスマイルカンパニー、コスパ、ブシロードの3社である。フィギュア、コスプレ、カードゲーム、3つの分野の有力企業の提携が大きな話題を呼んだ。

 そして10月27日に設立が発表されたウルトラスーパーピクチャーズも、企業の組み合わせに驚きがある。ウルトラスーパーピクチャーズは持株会社となり、フルCGアニメスタジオのサンジゲン、新進アニメスタジオのトリガー、オースの3社を集結させる。
 サンジゲンはフルCGのアニメスタジオで、2D(セルアニメ)スタイルの3DCGというう表現を得意とし急成長する異色の企業だ。トリガーはガイナックスから独立した監督・アニメーターの今石洋之氏らが参加するスタジオ、オースは『かんなぎ』や『フラクタル』で知られる山本寛監督を中心に設立された。いずれも話題性十分の注目スタジオである。
 さらにウルトラスーパーピクチャーズには、新たに出資企業としてグッドスマイルカンパニー、ブシロードのほか、マックスファクトリー、ニトロプラス、ピクシブの5社が加わる。それぞれ異なった立場からアニメの創出に携わる。

 今回のハイチューブとウルトラスーパーピクチャーズの設立に関わる会社は、新会社を含めないで実に9社にも及ぶ。いずれもが成長企業、注目の企業の部分で共通する。
 そこからは「強者連合」とのワードが浮かんで来る。いずれも企業規模では大企業とはいえないが、特定分野で卓越した存在である。つまり、新会社は特定ジャンルで卓越した企業が別ジャンルで同様の卓越した企業と手を組むことで、規模感を越えた圧倒的なパワーを生み出すプロジェクト会社なのだ。個別企業の力を活かしつつ、個別企業の枠を越え、既存のアニメスタジオとは違う何か大きな力を生み出さすかもしれない、そう考えるのは筆者ばかりでないだろう。

 ハイチューブとウルトラスーパーピクチャーズの参加企業は、これ以外にも幾つか共通したキーワードで結びつけられる。「秋葉原」、「コミュニュケーション」、「新世代」などだ。
 今回の発表場所が秋葉原であることは、アキバ文化と近しい企業が多いことを意識してのものだろう。そして、これらの企業はイベントやウェブサイト、twitterなどで、ファンとのコミュニケーションを生み出し、商品のロイヤリティを高めるのにも長けている。
 さらに参加企業は設立3ヵ月から十数年まで、歴史が短い会社が圧倒的だ。今回の発表のあった同じ日に、同じ秋葉原で、老舗アニメ製作会社の多くが会員となる日本動画協会主催の東京アニメ祭2011 秋が開催されていた。ウルトラスーパーピクチャーズの設立発表は、新世代から旧世代の挑戦状の様にもみえる。
 そうでなくても、今回の参加企業、さらに今回は名前が挙がらなかったがこれらの企業と緊密なビジネスをする幾つかの企業加えた大きなまとまりが、日本のアニメやポップカルチャービジネスの有り様を変え始めていると言うのは言い過ぎだろうか。「アキハバラコネクション」とも呼べる緩やかなポップカルチャーの企業グループがそこにあるかのようだ。
[数土直志]

ULTRA SUPER PICTUERS http://uspi.jp/