文化庁 概算要求にメディア芸術祭や若手アニメーター育成

 9月30日、文化庁は平成24年度の予算案作りに向けて、次年度予算の骨格になる概算要求をとりまとめた。概算要求は各省庁が次年度に必要となる予算を財務省に提出するもので、財務省主計局がこれをもとに財務原案をとりまとめる。最終的に実現しない予算もあるが、各省庁の今後の指針も伺えることから重要だ。
 文化庁は近年アニメーションやマンガなどのポップカルチャー分野の振興にも力を入れている。このためこれらの分野の振興や人材育成も、文化庁の予算枠で行われることが多い。

 文化庁の平成24年度の概算要求は1170億9300万円、前年比で13.5%増と大幅な伸びとなる。しかし、この中には東日本大震災からの復興も含む日本再生重点化処置、復旧・復興対策の241億8500万円も含まれており、個別の予算では前年比減となる事業も多い。

 アニメーション関連では、アニメーションのほかメディアアート、ゲーム・ウェブを含むエンタテインメント、マンガの4分野の振興を目指すメディア芸術振興関連事業が大きい。文化庁メディア芸術祭の開催も含めて25億6800万円の要望が出せれている。
 このうちメディア芸術祭の予算は今年度の5億5300万円から3億9300万円に引き下げられた。一方でメディア芸術発信支援事業に新規に13億3000万円の要望をだす。こちらは国内外での既存のフェスティバルでのメディア芸術の発信支援、補助となっており、関連イベントを積極活用したいとの考えが窺われる。

 また、近年大きな課題とされているメディア芸術の作品やデータベースの保存事業も継続される。メディア芸術デジタルアーカイブに2億2800万円、メディア芸術情報拠点・コンソーシアム構築事業にそれぞれ2億2800万円と2億1700万円である。一方で、アニメーション映画製作支援事業は1億6200万円の実績に対して1億2900万円の要望にとどまった。
 さらに若手アニメーター等人材育成事業では、今年度に引き続き2億1000万円を要望する。本事業は、手描きの若手アニメーターの育成を目的に平成22年度よりスタートしている。短編アニメーションを制作するなかで、アニメーターの技能の向上を目指したもので、予算化が実現すれば3年連続となる。
 全般にアニメーションをはじめとするメディア芸術は、国のクールジャパン戦略と結びついた海外向けの情報発信、現在の文化の保存・継承を目指したデジタル化・アーカイブ化、そして人材育成にほぼ絞られていると考えてよさそうだ。

文化庁 http://www.bunka.go.jp/