出版のデジタルハブ目指す 出版デジタル機構(仮)設立へ

 9月15日、国内出版20社は、出版社主体の新会社「出版デジタル機構(仮)」を設立することで合意した。今回合意をしたのは、インプレスホールディングス、勁草書房、講談社、光文社、集英社、小学館、新潮社、筑摩書房、東京大学出版会、東京電機大学出版局、版元ドットコム(代表:ポット出版ほか6 社)、文藝春秋、平凡社、有斐閣である。企業規模、ジャンルとも幅広い出版社が集まる。
 今後は、出版デジタル機構(仮称)設立準備連絡会が、出資や詳細な内容を調整する。さらに著作者や関連団体、企業の協力を求め、今冬の会社設立を目指す。また、国内出版社からさらに広く参加を募るとしている。

 出版デジタル機構の目的は、国内の電子出版ビジネスの市場拡大のサポートとその公共インフラの整備である。また、会社組織にはなるが、出版デジタル化の業界組織という側面もみられる。
 主要業務のひとつには、出版物のデジタルデータの保管が掲げられている。全ての出版物のデジタル化を推進し、それを保存するデジタルアーカイブが目指される。また国立国会図書館によるデジタル化された雑誌・書籍の民間活用の担い手ともなる。
 さらに電子書店への配信業務のサポートや図書館向けの窓口業務も行うなど、電子出版のデジタルハブの役割を期待されている。海外向けの対応では電子書店のサポートを行う。市場の基盤の整備を通じて、日本の電子出版物の国際競争力を高める。

 設立準備連絡会によれば、今回の合意は総務省、経産省、文科省による三省デジタル懇談会等の議論に基づいて生まれた。議論のなかで課題とされた「出版物へのアクセスの確保」、「図書館と出版社のあり方」、「出版物の権利処理のしくみ」などの解決を目指す。
 電子出版の環境が急激に変化するなかで、業界各社が協力することで市場の発展が図られることになりそうだ。また、大きなこれまで課題とされてきたデジタルデータの保管も、業界で集中して行うことでより効率的に進められることになるだろう。