絶版マンガ配信のJコミ 有料プレミアムサービスでβテスト

 Jコミはインターネットを通じて絶版マンガをファンに提供、さらにそのビジネス化を目指す。電子書籍・マンガの新しい試みとして大きな注目を集める。
 2010年末のβオープン以来、サービスと提供作品も次第に拡大し、2011年9月15日現在で総タイトル数103、総巻数も404となっている。ビューワーによる閲覧数は約590万にも達し、着実にユーザーを獲得している。

 そのJコミが2011年10月から、さらに新たな挑戦に乗り出す。10月1日から有料サービスの「Jコミ・プレミアム」を開始する。
 Jコミ・プレミアムの最大の特徴は、成人向けのマンガや男性同士の同性愛がテーマとなったボーイズラブ(BL)を取り扱うことである。こうした分野は印刷出版や電子書籍でも人気の高いが、正面切って取り上げられることは少ない。Jコミではエロやバイオレンスは娯楽の基本とし、一般作品と同様の絶版になった作品の活性化と保存を目指す。 
 ただし、成人向けコンテンツを含むだけに、子どもたちからのアクセス防止が必要になってくる。有料課金の導入は、β版で利用料月額105円と少額となっており、現段階では収益のためというよりも、クレジットカード利用をすることで、未成年が成人向けコンテンツを利用することを防ぐためとみられる。

 さらにJコミ・プレミアムでは、同人誌のなかで数多いエロ・パロディを扱った作品を合法化とその配布も盛り込まれる。これはもとになる作品の作者が同意することで、同人作品を合法化、サイトからの収益を原作のマンガ家と同人作家で折半するシステムを取る。
 これまでグレーゾーンとされてきた同人作品の合法化に道筋を示し、収益化を目指す画期的な試みだ。著作権的に極めてグレーであるがゆえに、無断転載や盗用に泣き寝入りすることが多かった同人作家にとってもメリットが大きい。

 もともとJコミは電子書籍のベンチャービジネスであると同時に、過渡期となり、変化の激しいマンガ界に、既存の出版社とは異なる新しいアプローチや提案をすることが目指している。
 絶版成人向けマンガ・BLの復活、エロ・パロディ同人誌の合法化といったアイディアは、まさにJコミならではのアイディアだ。今後の展開に期待が集まる。

Jコミ http://www.j-comi.jp/