米国がネット上の違法なコンテンツ流通対策法案を実施

 米国で4月19日に下院を通過した著作権保有物に関する新しい法律「Family Entertainment and Copyright Act of 2005」が4月27日の大統領の署名により執行されることになった。
 この法案は著作権保有者のコンテンツ管理強化に関する様々な内容が含んでいる。取り分け注目されるのは、現在P2Pを利用したインターネットに流通する違法な映像作品の流通の対策が盛り込まれている点である。これは、ネット上の違法流通が増えているアニメ作品にも少なからず関係する。これに関連する法律の主要な点は2つである。

 1点目は、米国の劇場内で上映される作品の撮影行為を違法行為としていることである。
 2点目は、著作権で保護された公開前のコンテンツのコピーを共有ホルダーに置いたものに対して罰則規定を設けたことである。
 
 1点目については、映画館での許可を受けない撮影行為に対して6年以下の懲役刑もしくは罰金刑となり、劇場で撮影されたDVD発売前の映画を取り締まるのが目的とされている。
 2点目は、P2Pを利用した違法流通の阻止が目的で、公開サーバーにコンテンツを置くだけで違法行為と出来るので、映画や音楽、ゲームなど違法流通に大きな効果を持ちそうである。つまり、無料、有料を問わず、あるいは著作権所保有者の被害が証明されなくても違法なコンテンツを公の場所に置くだけで犯罪とすることが出来るからだ。
 一方で、こうした法律は米国市場を中心に考えられたものであり、日本アニメの権利まで守られるかは不明な点が多い。CNETジャパンの“「オンライン著作権侵害者に最長3年の懲役刑を認める」新法が米で成立”の記事によれば、米国市場にいつ入るか判らない外国のテレビ作品や日本アニメにも適用出来るのかは定かでないとされている。しかし、米国企業によるライセンス収得後のアニメ作品やライセンス交渉中の作品には適用出来る可能性は高そうだ。

 現在、強化される一方の著作権管理に批判が少なくない。しかし、個人的な見解としては、著作権保有者やクリエーターのインセンティブを高めるためにも、著作権保護は強化していくべきだと考えている。自らの創造物でクリエーターの生活や企業の存続が確保出来なければ、優れた作品は生まれないと信じるからだ。反発する人がいるだろが、芸術家は赤貧であれといった考えには同意出来ない。優れた文化の創造者には、十分な見返りがあって欲しいと思う。
 そのうえで、現在のある著作権の保有期間を短縮出来るのが理想でないだろうか。作品の遺族や既にその作品の制作者が働いていない企業が延々と作品の著作権を主張し、利益を享受するのは違うのでないかと思う。例えば、作品公表30年後にはそうした作品は公共のものとして扱えばいいのでないかと思うからだ。