米国動画配信Hulu日本サービス開始アニメーション映画も

 9月1日、米国の動画配信大手Huluが、日本でのサービス提供を開始した。日本国内のPCやスマートテレビ、スマートフォン、タブレットなどに向けて、米国の人気テレビドラマや映画などを有料配信する。
 Huluは2007年に設立、2008年に米国でサービスを開始した。投稿動画の配信は行わず、またNBCユニバーサル、FOX、ABCなどの米国のメディアが株主になっていることから当初から質の高い番組に絞ってサービス提供を行ってきた。これがユーザーの人気を集めて急成長した。

 そうした評価の高さにも関わらず、これまでは海外進出は行っていなかった。今回の日本でのサービス開始は、設立から3年、初の海外進出になる。
 9月1日に始まったサービスは、月額1480円(税込)でサイト内の作品が見放題というものだ。スタート時には『スパイダーマン』や『ダヴンチ・コード』、『パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト』といった映画、『24』、『LOST』、『BONES』といったテレビドラマが並ぶ。アニメーション映画でも『オープン・シーズン』、『モンスターハウス』、『ベオウルフ』がラインナップされている。
 Huluは今後映画を数百タイトル、テレビ番組を数千エピソード用意するとしている。さらに米国の作品だけでなく日本やアジアのコンテンツも揃え、日本のマーケットを開拓する方針だ。

 ただし、日本進出にあたっては、幾つかの点で米国でのサービスと大きく異なる。一部プロモーションのための無料視聴コンテンツはあるものの、日本では米国にある広告付き無料視聴サービスの提供はなく、月額1480円の定額見放題サービスのみが提供される。また、この価格も米国で提供されている同様のサービスHuluPLUSの月額7.99ドル(約615円)に対して倍以上の設定となっている。
 ここにHuluが、より進出が容易とみられていた英国やカナダでなく日本を選んだ理由があるとみられる。日本はもともとハリウッドの映像コンテンツにとっては米国に次ぐ第2位の規模を誇っている。それに加えて、世界的に見るとハリウッド関連の違法コンテンツの流通が少ない地域と考えられている。
 野村総合研究所によれば国内の動画のビデオ・オン・デマンド市場は2010年で800億円と大きい。Huluは本国では100万人以上の有料会員を獲得したとするが、ニコニコ動画は140万人のプレミア会員を持つ。映像に対する課金が可能で、かつ大きな市場として日本に狙いを定めたとみられる。

 今後の課題は、米国以外のコンテンツをどの程度揃えることが出来るかだ。ハリウッド映画や海外ドラマには多くのファンがいるが、より大きな市場は国内のテレビ番組や映画、アニメなどである。
 アニメについては米国のHuluでは多くの日本アニメが並ぶが、国内では権利者自らビジネスを展開する例も多い。そうした企業からどのようなかたち、条件ならコンテンツの提供を受けることが可能かなど今後の交渉が必要となるだろう。

Hulu http://www.hulu.jp/