「カンフー・パンダ」中国で正規配信 優酷網とDWが合意

 中国大手の動画共有サイト優酷網とドリームワークス・アニメーションは、アニメーション作品の動画配信で同意した。8月29日に両社は、ドリームワークス・アニメーションが製作する『カンフー・パンダ』と『カンフー・パンダ2』を中国本土でオンライン配信することで合意したと発表した。ドリームワークス・アニメーションの作品が中国本土で正式配信されるのは、これが初めてになる。
 両作品は中国で劇場公開され、記録的な興収を実現している。2008年公開の『カンフー・パンダ』は、その年に中国で公開されたアニメーション映画の興収トップになっている。さらに今年公開の『カンフー・パンダ2』は公開2日間で興収1億元を突破、これは中国映画興行史上最速記録である。

 正式配信開始は、こうしたシリーズの人気の高さに期待するものである。優酷網は昨年、月額課金の有料プログラムも開始しており、『カンフー・パンダ』はその目玉タイトルとの位置づけでもある。オンディマンド・サービスの有料プログラムと優酷網ハリウッド・プレミア・チャンネルで番組が提供される。いずれも高品質の映像で配信となる。
 優酷網は2006年末にサービスをスタートした後に急成長、土豆網と並び中国本国を代表する動画配信ポータル企業となった。国内外の作品の違法アップロードによる動画配信も多いが、近年はライセンス獲得による正規配信も進めている。これまでにワーナー・ブラザーズとも作品提供で合意している。優酷網では、今後もハリウッドスタジオと関係を深め、ユーザーに人気のある作品を導入したいとしている。

 優酷網とドリームワークス・アニメーションの金銭面での合意内容は明らかにされていないが、ドリームワークス・アニメーションにとっては中国市場攻略のための布石と言える。もともとパンダを主人公、中国ロケもして制作された『カンフー・パンダ』は、中華圏市場開拓の意図もあるとされてきた。実際に、本作は欧米よりも中国語圏を中心とするアジアでより大きなヒットを実現している。
 さらにドリームワークスは、現在テレビシリーズの『カンフー・パンダ』の制作を続けている。中国では日本アニメの放映が難しくなっているのはよく知られているが、米国アニメーションのテレビ放映も同様の状況だ。そうした状況で作品を展開しようとすれば、インターネットでの正規配信が視野に入ってくる。今回の優酷網とドリームワークス・アニメーションの合意もそうした将来を見据えている可能性もあるだろう。

優酷網  http://www.youku.com/