中国のアニメ産業政策の6大方針とは?

 新華通信ネットジャパンによると、中国政府文化部はアニメ、マンガ、ゲーム産業の発展促進の法整備に着手した。中国は国家財政から資金を投入することでこれら産業を促進させ、3年から5年後には中国市場のシェアのほとんどを獲得し、海外でのシェアの拡大を目指す。具体的な内容は6大処置と名付けられていた下記のリストのとおりである。

1. 政策と法律の完備によるアニメとゲーム産業発展のための市場環境整備。
2. 中国オリジナルのアニメとゲームのプロジェクトにより国内市場のシェアを上げ、海外市場でのシェアの獲得。
3. 未成年のための健全なアニメとゲームの奨励。
4. 産業のインキュベーション。アニメ産業、ゲーム産業のパークの建設。
5. 輸入基準の厳格化。国外の優秀なゲームの導入。国に合ない製品の侵入阻止。
6. アニメとゲームの展示会、博覧会の開催。

 今回の発表に限らず、最近、中国のアニメ産業、ゲーム産業の育成に関するニュースが相次いでいる。そうした発表からは、産業としてのアニメ、ゲームを重視している中国政府の姿勢が理解出来る。
 しかし、そうした方針は国内産業の育成に加えて、海外作品の規制に傾きがちである。今回の内容も、中国政府の目的が国内産業の育成、海外製品の規制に向けられていることが垣間見える。また、作品の内容についても、行政の方針に合うように管理したい姿勢も見て取れる。

 こうした中国の産業保護政策は、日本を初めとする海外企業にはデメリットといえる。しかし、一方で、中国独自のキャラクターやゲームが育つことは外国企業にとって良い影響もある。それは、自国の産業が育つことで、キャラクターを初めとする著作権の管理が今後急速に発達する可能性が高いからだ。
 現在の、海賊商品の氾濫は、競争力のある作品やキャラクターが海外のものばかりであることの裏返しである。それを、積極的に取締まる中国側のメリットは薄い。しかし、自国製品のニセモノは国内企業同士の争いになるから見逃せない問題になるだろう。そうした土壌から中国における著作権管理が、近い将来になんらかの進展を見せる可能性は高い。

 それでは、国家の支援による中国アニメは将来的に国際市場で日本のライバルとなりうるだろうか。正直、これは難しいのではないか。芸術であれ大衆文化であれ、表現手段をベースとしたものは表現の自由を基盤に成長する。それらが制限されれば、その発展にも限界があるだろう。中国の映像作品に対する表現にはいまだ大きな制約が多く、日本の優位はかなり高い。特に、アニメ製作の資金が国から出るのであればなおさらである。
 それは、中国の自動車メーカーや鉄鋼メーカーが世界有数の企業に成長しながらも、その需要のほとんどが中国国内市場にあるのに似ているだろう。保護された国内市場ではある程度市場を獲得出来るが、輸出競争力のある製品でないからだ。同様に、5年先の中国のアニメ産業は国内市場で一定のシェアを確保するが(それは、欧米や日本との合弁企業かもしれない)、世界市場で大きなシェアを取っている可能性は低いであろう。それは、民主主義国家である韓国のコンテンツ産業分野での躍進とは比較出来ないであろう。