米国Hulu初の海外展開 年内日本で有料配信開始

 米国の大手動画配信サイトHuluが、年内に日本に進出、有料の動画配信サービスを開始することを明らかにした。Huluは2007年に設立、NBCユニバーサル、FOX、ディズニー=ABCなどの米国の有力メディアグループが出資する。こうした企業を中心に、テレビドラマや映画、アニメーションなど、様々な人気作品を提供している。良質のコンテンツが多いことから、YouTubeに次ぐ米国第2位の動画配信サイトとして、ユーザーから高い人気を集めている。当初は広告収入により無料配信のみを行っていたが、2010年からは月額固定の有料プレミアサービスも開始している。
 日本では2012年末までに、この有料配信サービスの提供をスタートする。ハリウッド映画や海外ドラマを用意するとしており、メジャースタジオやメディアとの強いつながりを活かす。配信先はテレビやPCのほか、パソコン、携帯電話、タブレット型端末などが含まれる。 同社は既に日本語版の公式ティザーサイトをオープン、サービス開始も告知している。

 Huluは公式動画配信ビジネスの多くが収益モデルを生み出せないなかで、広告を中心に相当の収入を得ていることで近年インターネットビジネスのなかで注目されてきた。その成功から早い段階で海外進出が取り沙汰され、なかでもカナダや英国への展開が有力とされていた。
しかし、海外進出第1弾は多くの予想を破り、非英語圏の日本となった。しかし、もともとハリウッド映画にとって日本は米国に次ぐ規模を持つ市場だけに、ビジネスの可能性という点では納得が行く。
加えてHuluは日本を最初の海外展開地域に選んだことについて、日本にはハリウッド映画や海外ドラマの分野で未開拓の市場ニーズがあること、ブロードバンドの普及率の高さ、新世代デバイスの普及率の高さを挙げている。
さらに、既に日本では携帯やPC向けのコンテンツの有料配信ビジネスが進んでいることも理由のひとつかもしれない。音楽、映像、マンガと日本のデジタル配信マーケットは世界有数である。無料配信+広告より、有料課金にビジネスの中心をシフトさせたいHuluにとっては、可能性の大きい市場である。

気になるのは既に動画配信ビジネスを国内企業の影響だ。国内での洋画や海外ドラマの配信はまだ多くなく、この分野ではHuluのビジネスは大きな可能性ありそうだ。一方で、日本の映画、ドラマについては、過去1、2年で次第に広がりつつある。日本のコンテンツホルダーからHuluが作品を調達出来るかが鍵を握る。
一方で、動画配信市場の大きなシェアを占めるアニメについては、Huluは苦戦しそうだ。Huluは米国では日本アニメも多く配信しており、その人気の高さを理解している。しかし、アニメでは既にバンダイチャンネルや東映アニメBB、ニコニコ動画など数多くの有力プレイヤーが存在する。バンダイチャンネルはこの8月から定額見放題サービスを導入するなど、ビジネス展開も進んでいる。こうしたなかに新たに参入するのは、他の分野より大きな力が必要になる。

Hulu 日本語公式サイト http://www.hulu.jp/
Hulu 米国公式サイト http://www.hulu.com/