米国で新展開JManga初公開 コミコンイベント盛況スタート

登壇者の様子

 7月22日、米国カリフォルニアで開催されているコミコン(コミコンインターナショナル)の会場で、日本マンガの海外進出を大きく変えるかもしれない発表がされた。国内マンガ出版39社が参加するデジタルコミック協議会の大型プロジェクトJMangaである。
 JMangaはデジタルコミック協議会の参加企業によるマンガポータルサイトで、日本マンガの最新情報を海外に届ける目的で設立された。今後、成長が期待できる電子書籍の分野での海外ビジネスにつなげる。

 JMangaの強みは、日本の主要なマンガ出版社が手を組むことである。幅広い作品を並べることで、サイトの魅力を発揮する。
 22日の午前中に開催された「Manga: Manga!? Hear it Straight from Japan!」と題されたイベントでは、会場を埋めたファンの前に吉羽治氏(講談社)、田中敏隆氏(小学館)、島野浩二氏(双葉社)、芦尚文氏(角川書店)、鈴木基氏(集英社)、佐々木尚氏(集英社)ら国内でマンガのデジタル事業を手掛ける関係者が登壇した。なかでも少年ジャンプの前編集長佐々木氏の紹介では会場が沸き、米国で唯一つマンガ雑誌展開をする「少年ジャンプ」ブランドの強さを感じさせた。

 会場ではスクリーンを使い、JMangaのサイトの様子が公開され、その概要が披露された。サイトは白を基調としており、トップページや検索を通じて個別の作品に行き着ける。個別ページでは作品情報を提供、さらにそれを販売に結びつける。
 さらにマンガ家のインタビュー動画など、日本からダイレクトに届ける強みを盛り込んだ。また、SNS機能も売りになる。SNSのコミュニティでは、マンガ家に直接意見を届けたり、マンガ家からのメッセージを直接届けるなどインタラクティブな機能を持つ。こちらも日本の出版社と直接つながる強みを持つ。

 JMangaの目的について講談社の吉羽氏は、「過去数年、日本マンガは(北米で)衰退している。一方で、デジタルパブリッシングは拡大している。ここにチャンスがある」と語る。電子書籍による業界構造の変化を一気にビジネスチャンスに変える狙いがある。
 また小学館の田中氏は「日本には素晴らしいマンガが沢山あるが、まだその中の少ししか紹介されていない。それをもっと紹介したい」とその意義を語った。さらに米国が日本と比べて人口当たりの書店数が少ないことを挙げ、「(米国でも)日本と同じ様な手軽にマンガを読める環境を提供したい」と話した。

 実際にJMangaには、より多くの人に、より多くの作品を伝えたいという目的があるようだ。そうすることで、マンガファンの裾野を広げ、ビジネスの拡大につなげる狙いもある。
 一方で、これまで日本マンガ出版を手掛けてきた現地企業との調整が今後重要となる。もし、JMangaがマンガ販売を本格的に手掛ければ、これまでマンガ単行本を発売してきた現地の企業とビジネスの競合が起きるからだ。電子書籍が急激に成長しているとはいえ、現在の利益の大半は単行本から生まれており、現地出版の役割りは依然大きいからだ。

コンベンションでお馴染みのプレゼント企画も大人気

 登壇者に対するファンからの質問コーナーも設けられた。販売されるマンガ作品の価格設定や翻訳のクオリティに関する質問がされた。その熱心な様子からは、JMangaに対する期待の高さが感じられた。
 ユーザーに対するプロジェクトは、いま始まったばかり。オープン後も新たな機能を盛り込み、ユーザーのニーズに合わせた対応もされるだろう。今後もさらなる展開があるに違いない。JMangaの今後の展開は、日米から注視されている。