IGポート通期決算発表 黒字転換 版権利益が堅調

 アニメ製作・マンガ出版のIGポートは、7月15日に平成23年5月期(22年6月~23年5月)の通期決算を発表した。同社は7月5日に業績見通しの修正を行っており、最終的な数字もそれに沿ったものだ。前年は上場後初の最終赤字となったが、23年5月期は黒字転換している。
 連結売上高は52億8200万円と前年比11.8%減となったが、営業利益は1億2400万円、経常利益は1億5000万円、当期純利益は7月5日の業績予想では3億1700万円だったが、最終的にはさらに上乗せをして3億2600万円となった。

 同社の売り上げはプロダクション I.Gとジーベックによるアニメ制作が中心となる。映像制作事業の売上高は34億2100万円、前年比で14.2%減となるが、第2四半期までは前年比63.0%減となっており、第3四半期、第4四半期で大きく取り戻したことが分かる。営業利益は671万円である。
 主力タイトルは2012年ゴールデンウィークで劇場公開を予定する『ももへの手紙』や『ブレイクブレイド』、『劇場版 戦国BASARA -The Last Party-』、『攻殻機動隊 S.A.C. SOLID STATE SOCIETY 3D』などの劇場映画、『戦国BASARA弐』、『君に届け 2ND SEASON』、『もしドラ~もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの「マネジメント」を読んだら~』などのテレビシリーズ、それにOVA、ゲーム用、コマーシャル用のアニメである。

 利益の大きかったのは版権事業である。売上高は4億9000万円(前年比11.6%減)、営業利益が2億3000万円(前年比164.6%増)となった。
 全体の利益のほとんどが同事業から生じていることになる。主要タイトルは、『東のエデン』、『戦国BASARA』、『テイルズ オブ ヴェスペリア ~The First Strike』、『ARIAシリーズ』、『テニスの王子様シリーズ』などである。

 一方、出版事業は赤字だった。売上高は12億4900万円(前年比9.3%減)、営業損失は978万円である。期間中雑誌24点、単行本122点を発売している。好調な作品として、『flat』、『あまんちゅ』を挙げている。
 そのほか事業は売上高が1億2300万円(前年比66.6%増)と伸びたが、796万円の営業損失だった。しかし、SNSゲームや iPhone/iPod Touch 向けアプリなど、新しいメディアを狙った試みが積極的に行われた。ウェブ展開を強めている出版事業と合わせて、先行投資の段階と見られる。今後は、スマートフォン向けのアプリの世界向け配信を視野に入れている。

 今期(平成24年5月期)は、売上高62億2600万円(17.9%増)とし、経常利益は9800万円、当期純利益8500万円を予想する。利益面については慎重な見通しとなる。
 一方で、前年比30%増とする映像制作事業の売上げ予想からは、同社が既に前期より大きな企画を動かしていることを感じさせる。

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