東宝 歌舞伎町再開発発表 2500席巨大シネコンも

 映画会社の東宝は、2008年末に閉館した東京新宿歌舞伎町の新宿コマ劇場・新宿東宝会館跡地の再開発計画の概要を発表した。計画ではおよそ5600㎡の敷地に、延床面積5万5390㎡に及ぶ地下1階地上31階の新宿東宝ビルを建設する。
 ビルの9階から31階は藤田観光が運営する約1030室のホテル、3階から6階は12スクリーン約2500席のシネマコンプレックス、さらに低層棟に飲食店が入居する。新宿地区のエンタテイメントの新たな大型拠点となる。事業主体は東宝と同社の100%子会社コマ・スタジアムで、事業資金は約232億円を予定、2015年春のオープンを目指す。

 注目されるのは、新築ビルに収容されるシネマコンプレックス(シネコン)だ。12スクリーン約2500席は、現在、新宿地区にあるシネコン新宿バルト9の9スクリーン約1840席、新宿ピカデリーの12スクリーン約2240席を上回り地区最大になる。徒歩圏内の3つのシネコンのスクリーン数合計は31、座席数は6500席以上と、新宿東地区は映画館の一大集積地となる。
 華々しいプランであるが、既存の映画館、シネコンにとっては大きな脅威になりそうだ。すでに同地区では2007年の新宿バルト9、2008年の新宿ピカデリーのオープンで撤退が相次いでいるからだ。
 新宿東宝ビルは、映画館の閉館が続いた歌舞伎町地区の再活性化の切り札となるだろう。しかし、同じ歌舞伎町地区の新宿ミラノ座への影響は避けられない。さらに、最新の設備と豊富なタイトルで集客をしてきた新宿バルト9、新宿ピカデリーも安閑としていられない。

 1990年代に登場したシネコンは、その後急激に日本各地に広がった。従来型の映画館の経営に影響を与え、その館数の減少はシネコンが原因と指摘する声も多い。
 その数は2010年で2700スクリーン以上、全体の8割を超えるまでに拡大した。一方で、現在はシネコン間の競争が激化しているという。日本最大の繁華街新宿が、その新たなシネコンビジネスの最前線となりそうだ。

東宝 http://www.toho.co.jp/