パラマウントがアニメーションスタジオ設立 2014年公開

 7月6日、ハリウッドメジャーのひとつパラマウント・ピクチャーズ(Paramount Pictures)は、自社内にアニメーション制作部門「パラマウント・アニメーション:Paramount Animation」を設立することを明らかにした。発表では新スタジオが手掛けるのはハイクオリティーのCGアニメーション映画で、2014年に最初の作品公開を目指す。
 また、1作品あたりの予算は1億ドル以上を予定している。ディズニー/ピクサーやドリームワークス・アニメーションの様なブロックバスター級の作品を目指している。米国のアニメーション業界に新たなビッグプレイヤーが登場することになる。

 パラマウントの社長兼CEOのブラッド・グレイ氏によればアニメーションスタジオの設立は、同社の長期的な戦略に基づいたものだという。同じバイアコムグループのキッズ部門ニコロデオンと協力して幅広い作品ジャンルに取組み、積極的に商品展開も目指す。

 今回のパラマウントの決断には、2011年3月に劇場公開されたCGアニメーション映画『ランゴ』の成功がある。『ランゴ』は同社が100%製作出資した初のCGアニメーション映画だが、世界興収2億4000万ドルを稼ぎ出した。映画の評価も高い。
 パラマウント・アニメーションにより制作自体も社内に取り込むことで、より効率的なビジネスを目指しているとみられる。また、アニメーション映画を自社制作しているウォルト・ディズニーに対抗する狙いもありそうだ。

 米国のCGアニメーション映画は、2000年代を通じてピクサーとドリームワークス・アニメーションのふたつのスタジオを軸に展開してきた。歴代興収の上位がほとんど両スタジオの作品で占められていることでも分かる。
 しかし、2010年にユニバーサルの『怪盗グルーの月泥棒』が大ヒットとなった様に、他社がアニメーション映画を再び強化する動きも強まっている。パラマウントの決断もそうしたひとつとなる。

 一方、パラマウントのスタジオ設立で、ドリームワークス・アニメーションは微妙な立場になりそうだ。パラマウントは長年ドリームワークス・アニメーションの作品を独占的に配給してきたからだ。ドリームワークス・アニメーションは、現在年2本から3本のペースで大作アニメーションを製作しているが、パラマウント独自の映画がこれ加わるとパラマウントによるアニメーション映画の配給本数の増大は避けられない。作品間の競合も起きそうだ。公開時期の調整も含めて難しい問題も発生する。
 パラマウントと実写映画を手掛けるドリームワークスは、2008年に提携を打ち切っており、ドリームワークスの映画はディズニーが配給を行っている。一方でドリームワークス・アニメーションは独立会社として、2008年以後もパラマウントとの提携を維持している。今後は、この提携関係に変化があるのかが注目される。

パラマウント・ピクチャーズ(Paramount Pictures Corporation)
http://www.paramount.com/