2010年電子書籍市場は650億円 内88%が携帯向け

 2010年の日本国内の電子書籍市場はおよそ650億円だった。メディア関連のリサーチ、シンクタンク事業を手がけるインプレスR&Dが7月7日に明らかにした。
 市場規模の推計は、インプレスR&Dのインターネットメディア総合研究所が調査によるものだ。電子書籍を「書籍に近似した著作権管理のされたデジタルコンテンツ」と定義し、国内ユーザー購入金額の合計を市場規模としている。教育図書や企業向け情報提供、ゲーム性の高いものは含まれていない。

 2010年は電子書籍元年とも呼ばれ、ビジネス、そしてユーザーからも電子書籍の新たな展開に期待する声が高まっていた。こうしたこともあり、前年の574億円から13.2%増となる650億円と過去最高を記録している。
 電子書籍市場は、2006年の182億円、2007年の355億円、2008年の464億円、2009年574億円と着々と成長している。しかし、2010年の伸び率13.2%は2009年の23.7%を大きく下回っている。楽観的な期待以外の取り組みも、今後は必要であることを感じさせる。

 また、日本市場独特の偏りも見られる。2010年の日本の電子書籍市場は、同年の米国電子書籍市場約360億円(米国出版協会)を大きく上回る世界有数の規模である。
 しかし、今回のインプレスR&Dの調査によれば、国内市場の88% 572億円が携帯向けの配信である。さらにそのかなりの部分がマンガとなっているという。PC向けの配信は2009年の55億円から53億円に減少した。スマートフォン・タブレット端末向けは、6億円から24億円まで4倍増となったが、その市場はまだ必ずしも大きくない。
 今後の市場の成長は、新世代のスマートフォン・タブレット端末向けの展開が鍵になりそうだ。インプレスR&Dは、2015年の国内市場をおよそ2000億円と予想する。

インプレスR&D http://www.impressrd.jp/