裁判より震災支援 サンリオが蘭社とのキャラ係争和解

 サンリオは、オランダのメルシス社と2010年11月より係争していたキャラクターの著作権、商標権の問題について和解合意したことを明らかにした。メルシス社はアムステルダムに本社を持ち、絵本作家・グラフィック・デザイナーとして知られるディック・ブルーナの知的所有権を管理している。その代表作にはウサギのキャラクター「ミッフィー」がある。
 メルシス社はサンリオが「ハローキティ」の友達として描いたウサギのキャラクター「キャシー」が、この「ミッフィー」の著作権と商標権侵害をしていると主張していた。
 昨年11月に同社の訴えによりアムステルダム地方裁判所は、「キャシー」のキャラクター使用の差し止め仮処分命令を下している。これに対してサンリオが異議申し立てを行っていた。この係争は国境を越えたキャラクターの著作権、商標権裁判として注目を浴びていた。

 6月7日の発表では、両社は和解合意に達し、全ての訴えを引き下げる。両社によれば、日本では3月11日に起きた東日本大震災で多くの犠牲者を出しており、そうした中で裁判にかかる諸費用を日本の復旧・復興のために寄付すべきと考えたという。
 メルシスとサンリオはお互いのキャラクターを尊重することを表明したうえで、共同で15万ユーロ(約1750万円)を東日本大震災への義援金として寄付することに決めた。
 国際的なキャラクター紛争が意外なかたちで決着した。サンリオ、メルシスともキャラクターを通じて夢を売る企業であることから、それに相応しい結果ともいえるかもしれない。

 また、サンリオは自社の判断で、既に2009年11月以降「キャシー」を利用した新たな企画商品、ライセンス商品を取り扱っていない。ビジネス的には、現在はサンリオ、メルシス双方に利害が発生していなかったことも今回の決断につながっただろう。
 同時にキャラクタービジネスは、企業ブランド、キャラクターブランドを保つことで成り立つだけに、裁判というネガティブな状況を避けたいという判断も働いたとみられる。

サンリオ http://www.sanrio.co.jp/
メルシス http://www.nijntje.nl/disclaimer/