JDC信託 業務免許取消しか コンテンツ信託の夢挫折へ

 日本経済新聞などによれば、金融庁はジャパン・デジタル・コンテンツ信託(JDC信託)の信託業務免許を取り消す方針だという。JDC信託は2005年に日本で初めて、非金融会社系の信託会社として信託業務免許を獲得していた。
 同社は信託案件をアニメや映画、ゲームなどのコンテンツ、知的財産に特化することで、新しい信託ビジネスを開拓することを目指していた。もし、免許が取り消されれば、コンテンツ専門の信託会社というJDC信託の夢は挫折することになる。

 JDC信託は現在も信託財産の管理を行っている。こうした多額の信託財産を運用する事業者の免許取り消しは異例の処置である。昨年から続く、同社の経営の混乱や財務の急激な不安定化、そして今年春に発覚した信託財産の不正な流用が理由とみられる。
 金融庁は今年6月に新たな信託業務の3カ月間停止処分を行ったほか、関東財務局も業務改善命令をだしていた。両者は今後も、JDC信託の経営の急激な健全化は難しいと判断し、業務停止の解除前に決断を下したとみられる。

 JDC信託は設立当初、映画やゲームなどと並びアニメについても主要な投資分野としていた。しかし、実際には投資を行ったのは「アニメファンド!バジリスク匿名組合」など少数の案件に留まっていた。
 アニメ業界では、ヒットが見込める大型作品や手堅い作品は、既存の製作委員会のシステムのなかで必要とする資金を調達出来ることが多い。このため専ら資金の出してに徹するJDC信託は、そうした製作委員会システムなかでビジネスの役割を果たすことが出来なかったためとみられる。 

 一方で、資金を必要される作品は、挑戦的であったり、比較的名前の知られていないクリエイターの作品となりがちである。金融の専門家がスタッフに多かったJDC信託は、また、そうしたなかから優良な投資先を選別する力も不足していたとみられる。
 2000年代以降に立ち上がった様々なコンテンツファンドに共通する課題を、JDC信託は抱えていたといえる。2000年以降急激に注目されたコンテンツファンドだが、現在はかつてほどの勢いはない。企業間の出資によるものは現在もあるが、当初JDC信託が思い描いたような不特定の個人や法人に募集形式で資金を集めて組成するファンドは、2009年の現在、日本には根づいていない。 

ジャパン・デジタル・コンテンツ信託 http://www.jdc.jp/