ユーフォーテーブル 徳島にアニメスタジオ来年開設

 『空の境界』などのアニメ制作で人気の高いアニメスタジオのユーフォーテーブルが、徳島県にアニメスタジオの分室を作る。
 ユーフォーテーブルはこれまで既に2009年度の採用として、東京本社に加え徳島での採用も行うことを明らかにしている。また10月には既に徳島市内で会社の説明会を行っている。

 このユーフォーテーブルの徳島スタジオについて、12月18日付の徳島新聞が詳しい内容を報道している。記事では徳島スタジオは2009年4月に開設、開設のきっかけが近藤光社長が徳島市出身であること、地域の活性化を目的としたものであることが説明されている。
 また、新規採用を10人行い、東京から作画監督クラスも派遣し、原画をかけるアニメーション人材育成を進めるとしている。

 ユーフォーテーブルの本社は、アニメ制作会社の集積地として知られる東京西部地域中野区にある。カルト的な人気を呼んだ劇場版『空の境界』などの、エッジの利いた映像表現がファンから人気が高い。
 その『空の境界』は、今年、アニメDVDとしては破格の売上枚数を記録し話題を呼んだ。同社の徳島スタジオが軌道にのれば、こうした作品が徳島から発信される日も来るかもしれない。

 アニメ制作は、東京都の地場産業と呼ばれることが多い。実際にテレビアニメや劇場用の商業アニメを制作するスタジオはほとんど東京都西部に位置している。
 一方で、こうしたなか東京以外の地域で制作を行うアニメスタジオもある。よく知られているのは『涼宮ハルヒの憂鬱』や『らき☆すた』の制作で有名な京都アニメーション、今年『ture tears』の制作で注目を浴びた富山のピーエーワークスなどである。
 こうした本社自体を地方に置く企業のほかに、地方に分室のかたちでスタジオを構える例も次第に増えている。ぴえろの福岡分室、プロダクション I.Gの新潟スタジオ、サテライトの札幌スタジオ(旧本社)、名古屋スタジオなどである。スタジオジブリも2009年に愛知県豊田市に新人アニメーターの養成所を作ることを明らかにしている。

 これまで商業アニメの制作はスケジュールがタイトなのに加えて、原画やフイルムの物理的な素材のやりとりが必要なことから他社関連企業の近辺にスタジオを構えることが必要とされてきた。
 しかし、現在は制作のデジタル化やネットインフラの発達によって、以前ほどこうした条件は必要不可欠ではなくなっている。他方で、アニメーターを中心にアニメ制作では、慢性的な人材不足が続いている。都心より優秀な人材を確保しやすい、地方都市は今後も注目を浴びる可能性がある。
 さらに、地方自治体には産業振興の核にコンテンツ産業を打ち出すケースが増えており、そうした自治体とのコラボレーションも今後は生まれる可能性がある。