米国VIZメディア キッズ作品多数発表 日本作品以外も

 米国の日本アニメ、マンガの有力企業VIZメディアが、新たな事業の方向性を模索しているようだ。VIZメディアは4月11日に、新たにキッズ(児童)向け5タイトルのライセンス獲得を発表した。
 テレビアニメーション『HERO 108』、「まめしば」、『ポケットモンスター ブラック・ホワイト』、『MR MEN ショー(MR. MEN AND LITTLE MISS)』、それに『ボルトロン:フォース(VOLTRON FORCE)』である。いずれも同社のキッズブランド「VIZ Kids」で展開する。「VIZ Kids」ではこれまでに、『ポケモン』や『ゼルダの伝説』などでマンガやDVDのほか絵本やファンブックで未就学児・児童向けの商品をラインナップしてきた。

 『ポケットモンスター ブラック・ホワイト』で手がけるのはライセンス商品のトラベルキット、今年5月に発売される。また7月からはマンガ出版も行う。「ポケモンシリーズ」は、これまでも同社の主力コンテンツだけに、今後の大きなビジネスにつながりそうだ。
 「まめしば」は日本でも人気の豆なのか犬なのかよく分からない可愛いキャラクターである。2011年7月にグラフィックノベル(マンガ単行本)、キャラクター本を発売する。

 そして、今回注目されるのが、『HERO 108』、『MR MEN ショー』と日本産以外の作品を複数並べて来たことである。VIZメディアは、日本の小学館、集英社、小学館集英社プロダクションの出資による子会社ということもあり、長年3社、そしてグループ会社の白泉社に関連するマンガ・アニメ・キャラクターを多く扱ってきた。それ以外の作品もあったが、ほとんどは日本のコンテンツである。今回、日本のアニメを基に現地で開発・制作した『ボルトロン:フォース』も含めると、3つもの作品が日本以外である。
 『HERO 108』は、カートゥーンネットワークで放映中の人気アニメーション。VIZメディアは、このDVD発売とオンライン配信を担当する。
 『MR MEN ショー』と『ボルトロン:フォース』では、これまで培ってきたマンガビジネスのノウハウを活かす。それぞれの作品を基に同社が独自のグラフィックノベルを開発、2012年春に発売するという。翻訳出版でなく、自らコンテンツ開発する点も注目される。

 日本企業の現地法人では、既にバンダイ・アメリカが米国アニメーション『ベン10』の玩具展開で大きな成功を収めている。同社は今年秋以降カートゥーンネットワークで放映されるテレビアニメーション『サンダーキャッツ』のライセンスも獲得するなど、さらに事業の現地化を進めている。
 こうした取り扱いコンテンツの現地化は、現在、日本のアニメ、マンガが米国で直面しているビジネス上厳しい状況とも関係しているだろう。キッズ向けの作品はアニメーションやマンガではあるけれど、ネット上の違法配信の影響を比較的受け難い分野とされている。
 VIZメディアは近年のアニメのファンサブ、マンガのスキャンレーションといった違法配信により打撃を受けているとみられる。同社は主力の顧客であるティーンエイジャー向け、日本作品以外の分野に事業を拡大することで生き残りを図るとみられる。

VIZ メディア http://www.viz.com/