英国の日本アニメ・マンガ・ゲーム市場 JETROが調査

 近年、世界各国で日本のアニメ・マンガが人気を博している。海外での人気の作品や開催されるイベント、コスプレイヤーなど、そうした様子はメディアを通じて日本でも広く紹介されている。
 しかし、そうした中でもこれまで日本のポップカルチャーの受容状況があまり伝わって来なかった主要国が英国である。それは英国が同じヨーロッパのフランス、イタリア、スペイン、ドイツなどと較べて、日本のアニメ・マンガの浸透が進んでいない国とされてきたからだ。他国では行なわれている日本のコンテンツ産業の市場調査もほとんど行なわれなかった理由である。

 そうしたなかで日本貿易振興機構(JETRO)は、このほど初めて英国におけるアニメ、マンガ、ゲームの日本コンテンツの市場調査を行なった。3月23日からJETROサイトにて、レポート「英国におけるコンテンツ市場の実態(2011年3月)」を無料で提供している。
 調査レポートは、マンガ市場、アニメ市場、ビデオゲーム市場、さらにキャラクター市場から構成される。72ページに及ぶ内容は、分野別の数字的な資料、現地のディストリビューター(配給会社)、小売店などの数多くのリストを含む。ビジネスでの資料価値はかなり高い。JETROはこれまでにも多くの海外コンテンツ市場のレポートを提供してきたが、その中でも特に力が入ったものだ。

 しかし、調査内容を見ると、全体にあらためて英国におけるアニメ、マンガ市場が他国に較べて小さいことを感じさせる。レポートの冒頭では、英国におけるオタク人口はフランスの1/10の約1万5000人と言及している。そうしたオタク人口の少なさに加えて、レポートでも実態は把握出来ないと指摘する米国からの関連商品の輸入による市場の未成熟も影響しているかもしれない。
 それでも英国市場の特徴を解説は、市場攻略の手がかりを与えるに違いない。人口6200万人、親日的な国でもあることから、関係企業の今後の市場開拓を期待したいところだ。

 一方で、日本の存在感が大きいのは、ゲーム市場だ。英国は米国、日本と並ぶ、世界の3大ゲーム大国で、市場の基盤が大きい。さらに、その中に占める日本企業やゲームタイトルの存在感も、他国より大きいようだ。2010年の売上別のゲームスタジオでも、トップ10に5社が名前を連ねる。
 こうした状況はアニメ分野にも影響を与えていそうだ。『ファイナルファンタジーⅦアドベントチルドレン』や『バイオハザード ディジェネレーション』のビデオグラムの売上げが、スタジオジブリ映画と並んで高いからだ。ゲーム分野からのアニメ、マンガのアプローチ、そんなことも考えさせるレポートだ。

日本貿易振興機構(JETRO) http://www.jetro.go.jp/

英国におけるコンテンツ市場の実態(2011年3月)
http://www.jetro.go.jp/world/europe/uk/reports/07000546