出版流通CHIグループ 期末決算最終赤字に

 大日本印刷(DNP)傘下の出版流通・小売チェーンなどを統合したCHIグループは、一期目の決算をマイナスで迎えた。3月17日に発表された平成21年1月期連結決算は、売上高が1152億7000万円、営業損失12億5500万円、経常損失11億円、当期純損失12億7300万円だった。
 CHIはDNP傘下の図書館流通センター(TRC)と丸善を経営統合するかたちで、平成22年2月に誕生した。
その後、同社は平成23年2月にジュンク堂書店、雄松堂書店を完全子会社としたが、今回の決算には両社は含まれていない。

 図書館流通センターの事業は好調だったが、丸善において損失が発生している。年間一括契約雑誌等商品の売上基準の変更と基幹システム入替時のデータ移行の遅れによる商品出荷遅延が業績に影響を与えた。
 同社の主要事業は4つで学術・教育分野を対象とする文教市場販売事業、店舗とネットの販売事業、図書館サポート事業、出版事業である。売上げはそれぞれ589億4000万円、345億1000万円、121億1000万円、47億8000万円である。店舗・ネット事業は赤字で、文教市場販売と図書館サポートの利益貢献が大きい。

 一期目は赤字となったが、CHIグループの真価はジュンク堂書店、雄松堂書店の加わる2期目が鍵になりそうだ。事業規模拡大と関連事業間のシナジー効果が期待出来るからだ。
 CHIグループは、3つの事業に切り分けて今後の戦略を立てる。図書館向け、大学(研究者)向け、店舗・電子書籍である。このうち図書館向けはTRCと丸善の領域となる。大学(研究者)向けは、古書販売で経験の多い雄松堂の目利き力と調達力、丸善のネットワーク・販売力を組み合わせる。さらに小売店舗は、併せて全国97店舗、5万坪に及ぶジュンク堂、丸善のネットワークを効率的に運営するとしている。また、電子書籍販売もスターとした。
 国内のAV機器・音楽チェーンの急激な縮小、海外の書籍チェーンの経営危機など、出版・書籍販売業界は厳しさを増している。その中で事業のフルライン化、大規模化で新たな形態を模索するCHIグループの行方を、多くの関連企業が注視している。

CHIグループ http://www.chi-group.co.jp/