映像産業振興機構 コンテンツ産業育成NPO設立へ

 映画、アニメ、ゲームといったコンテンツ産業の国際競争力向上のための支援組織『映像産業振興機構』が今年度中にNPO法人として設立され11月中に法人登記の申請がされる見込みである。経団連(日本経済団体連合会)が、政府の映像産業育成方針を背景に業界団体に働きかけることで設立の方針が決まった。10月19日に開かれる経団連の理事会で正式に支援方針を打ち出すことになっている。
 組織は、映画会社、放送局、アニメ制作会社、ゲーム会社から成り立ち、1)大学などの映像教育の支援、2)技術者の研修・再教育、3)制作会社への融資や機材リース、4)各種イベントの支援が目的になる。
 また、経団連は日本のコンテンツ産業支援策が金額ベースで他国に較べて桁違いに少ないこと、またアニメ、ゲームなどかつて日本のがトップだった分野でも競争力を失いつつあることに言及している。

 国によるコンテンツ産業、特にアニメ、ゲーム、コミックといった分野での支援が出る時に、必ず話題になることがある。それは、果たして国の支援で、産業が本当に強くなるかという問題だ。そうした産業は、これまでは行政や既存の経済の枠組みの外にあったからこそ強い力を持てたのでないかという考えだ。事実、国家の強力な支援を仰いでいるフランスのコンテンツ産業育成は、あまり成功しているようには見えない。一方で、近年の韓国の映画やゲーム産業における躍進は、国家の支援政策の影響との意見もあり判断が難しい。
 しかし、国や業界団体の支援が効果あるかよりも、他国に多くのライバルが存在し抜かれるかもしれない、あるいは抜かれたかもしれないとの危機意識を持つことが重要である。
 昨今の日本の大手マスコミは、日本アニメの海外での認知度アップや国際イベントでの高評価によって、世界一や世界に誇るといった枕詞でアニメ、ゲーム、コミックを語ることが多く、自信過剰気味に映る。一方で、日本企業がゲーム産業で既に世界から遅れ始めていることや、アニメ産業では依然米国の劇場映画が大きな力を持っていることに触れることは少ない。
 そうした意味では、経済の現場や行政が危機感を持って産業に関わろうという意識は高く評価して良いのでないだろうか。