日本テレビがマッドハウスを子会社化 株式85%まで取得

国内有力アニメ製作会社のマッドハウスが、日本テレビ放送網の子会社となる。2月8日に、マッドハウスの現在の親会社であるインデックス、そして日本テレビが発表した。
マッドハウスは2月18日付でおよそ10億円の第三者割当増資を行い、全額を日本テレビが引き受ける。現在の日本テレビの持株比率は10.4%だが、これがおよそ85%まで引き上げられる。一方、インデックスの持株比率は60.91%から10.54%まで下がる。マッドハウスはインデックスの連結子会社から外れ、日本テレビの子会社となる。
マッドハウスの主要株主には両社のほか、日本テレビの映像パッケージ子会社バップ、電通、ソニー・ピクチャーズエンタテインメント、博報堂DYメディアパートナーズ、WOWOW、三井住友銀行などがある。これらの企業は引き続き少数株主として株式を保有することになる。

マッドハウスは虫プロダクション出身のメンバーを中心に、1972 年に設立された。『幻魔大戦』や『ユニコ』など劇場アニメで高い評価を受けた。その後も話題作を次々と生み出し、クオリティ重視のアニメスタジオとして知られている。とりわけ、りんたろう氏、川尻善昭氏、今 敏氏、細田守氏と日本を代表するアニメ監督がマッドハウス拠点に映像制作を行ってきたことが、マッドハウスのスタジオにブランド力を与えている。
また、『獣兵衛忍風帖』、『バンパイアハンターD』、『千年女優』、『時をかける少女』などの代表作と伴に海外でも高評価を得ている。国外で最も名前を知られた日本のアニメスタジオのひとつだ。近年は、『よなよなペンギン』でフランスと、『チベット犬物語』で中国と共同製作を行うほか、マーベルのキャラクターをアニメ化する「マーベル・アニメ」など海外とのプロジェクトが拡大している。

インデックスは2005年におよそ6億円で同社の株式の66.66%を取得、その後同社の親会社となっていた。当時インデックスは買収によるエンタテイメント事業多角化を目指しており、また事業拡大によりマッドハウスの上場も狙っていたとされる。
しかし、その後インデックスの業績は急速な事業拡大の反動で急激に悪化、グループ事業の縮小、関連会社の売却に転じた。アニメ映像事業は最後までコア事業のひとつとしていたが、今回はインデックスとマッドハウスのシナジー効果が発揮出来なくなったとしている。今後は、インターネット・モバイル、ゲーム事業に特化することになる。
また、マッドハウスも、平成21年7月期で11億7000万円、平成22年7月期で20億8300万円の当期純損失と2年連続の最終赤字となっている。メインバンクの日本振興銀行の経営破綻という問題も抱えるインデックスが、今回の決断をしたとみられる。

一方、日本テレビとバップは2005年から既にマッドハウスに一部出資している。深夜枠のアニメ番組で、マッドハウスとたびたび製作委員会を組成するなど、ビジネスのつながりも大きい。また、2009年に大ヒットになった細田守監督の劇場映画『サマーウォーズ』、その前作『時をかける少女』でもビジネスパートナーとなっていた。子会社化により、こうした事業連携をさらに強化することになりそうだ。
日本テレビはマッドハウスをグループ会社にすることで、映画、放送、商品化、ビデオグラム化、VOD 配信などグループ内で展開する。また、マッドハウスの経営に同社から人材を派遣する。3年後に年間営業利益3億円を目指す。
日本テレビはマッドハウスのほかにも、スタジオジブリやIGポートなどのアニメ製作会社に出資している。しかし、子会社化は初になる。今後は、従来より一歩踏み込んだアニメ製作会社との関係構築による成果が注目される。
アニメ製作会社とメディアとの資本関係では、テレビ朝日が『ドラえもん』、『クレヨンしんちゃん』のシンエイ動画を、アサツーDKが『サザエさん』のエイケンを子会社化している。いずれも有力ブランドの囲い込みを狙ったものだ。マッドハウスにはこうした人気キャラクター番組はないが、日本テレビはマッドハウスというブランドを買ったかたちだ。

マッドハウス http://www.madhouse.co.jp/
日本テレビ放送網 http://www.ntv.co.jp/
インデックス http://www.index-hd.com/